風のモロッコ ツアーで訪れる各都市の魅力

モロッコの面積は日本の約1.2倍。それほど大きくないと思われるかもしれませんが、地域ごとの自然や風景日本よりもダイナミックに分かれています。海岸地域は豊かな陽光が映える美しい白壁の街並みが目を引きます。モロッコの中央部に横たわるアトラス山脈を境に、西側は肥沃な農耕地帯と「メディナ」の街。東は「カスバ」と呼ばれる城塞がそびえ、オアシスの街とサハラ砂漠の荒涼とした大地が広がっています。モロッコの多彩な魅力をお楽しみいただけるよう、滞在を楽しむ旅からやさしいモロッコの人たちと接する旅、大自然の中に入り込むワイルドな旅までバリエーション豊かな旅をご用意しています。地図を参考に行きたいところを選んでみて下さい。あなたにあったツアーコースが見つかることでしょう。


~9つの世界遺産を訪ねる~

1. マラケシュ

内陸に位置するマラケシュの街は、昔から砂漠と沿岸の中継都市として栄えた交易の街。旧市街にあるスーク(市場)の中心地にはモロッコ中のみならず世界中からの観光客で溢れかえるジャマ・エル・フナ広場があります。昼は大道芸人が腕を披露し夜は遅くまでたくさんの屋台がおいしい煙を漂わせて、とてもにぎやか。観光のメインは、今も国王が滞在することがあるバヒア宮殿。伝統的な漆喰やタイル細工の技術を駆使した壮麗な建築です。マラケシュでの滞在は散策が楽しめる旧市街のリアドの宿泊がお勧めです。

夕暮れのジャマ・エル・フナ広場

夕暮れのジャマ・エル・フナ広場


2. フェズ

フェズは789年にモロッコにおける最初のアラブ系王朝の都となった古い歴史を持つ街。手工業が発達し、細かいタイル細工、フェズ・ブルーと呼ばれる彩色が特徴の陶器、織物などが有名です。フェズ市内は9世紀の街(フェズ・エル・バリ)、13世紀の街(フェズ・エル・ジェデイド)、新市街(ヌーベル・ヴィル)に別れ、特にユネスコ世界遺産にも登録されたフェズ・エル・バリはまさに「迷宮」の言葉がぴったりの場所。雑踏の中を迷子にならないようにガイドと一緒に歩き、この街の奥深さに迫りましょう。

フェズの旧市街を眺める

フェズの旧市街を眺める


3. アーティストの街エッサウィラ

紀元前9世紀のフェニキア時代から港町として栄えて来たエッサウィラ。穏やかな陽光が降り注ぎ、1年中温暖な気候に恵まれた太西洋岸のメディナは、白い壁と青い窓枠に統一された美しい様相で、多くの芸術家たちに愛されてきました。16世紀にポルトガル人が造った城砦や17世紀の展望台も見事ですが、小さなメディナは散策にぴったりなので、ゆっくりとアーティストたちのギャラリーを見てまわることもお勧めです。

エッサウィラのスカラと北稜堡

エッサウィラのスカラと北稜堡


4. アイト・ベン・ハッドゥ

マラケシュからアトラス山脈を抜けた麓にあるアイト・ベン・ハッドゥは、日干しレンガを積み重ねた要塞化された村。原始の世界を彷彿させる要塞は、数々の映画の舞台にもなっています。現在もまだ数家族が住んでいて昔ながらの暮らしぶりがうかがうことができます。ユネスコ世界遺産にふさわしい堂々とした村の雄姿は迫力満点です。 ツアーでは、アイト・ベン・ハッドゥ村のロッジに宿泊するコースもあります。朝日に照らされる様子を見たい方には、村での宿泊がお勧めです。

世界遺産アイト・ベン・ハッドゥ

世界遺産アイト・ベン・ハッドゥ


5. メクネス

17世紀にアラウィー朝の都となったメクネスは、ムーレイ・イスマイル王が当時贅を尽くした建物を築きました。モロッコのみならず全イスラム世界でも「美しいイスラム建築のひとつ」と呼ばれるマンスール門、唯一非イスラム教徒の入場が認められている荘厳なムーレイ・イスマイル廟があります。水が豊かで肥沃な大地は農業に適し、イスラム圏としては珍しくワインの産地としても知られています。

メクネスのマンスール門

メクネスのマンスール門


6. ローマ時代の遺跡 ヴォルビリス

ローマ帝国の繁栄によりモロッコにもアラブ人流入前のローマ帝国時代の遺跡が点在しています。その中で最大規模のかつて「ファラオの宮殿」とも称されたヴォルビリスは、地震で地中に埋もれたものの1874年に発見されて、いまも修復作業が続いています。約40haもの広大な敷地に列柱やモザイク、凱旋門、広場や浴場など、当時の生活を偲ぶ古代建築がずらりと並んでいます。

世界遺産ヴォルビリス

世界遺産ヴォルビリス


7. アンダルシアの面影 ティトゥアン

1492年のグラナダ陥落によりこの地にアンダルシアから逃げてきた人たちが今の町の基礎をつくり、20世紀始めまでスペインの保護領であった歴史を持つ町。ヨーロッパ風の通りに向けて出窓が並ぶ建物と入り組んだ通路が交差するモロッコらしいメディナの景色が混在しかつ融和しています。

アンダルシア様式の街並み、ティトゥアン

アンダルシア様式の街並み、ティトゥアン


8. ポルトガルの風の街並み  アル・ジャディーダ

2004年ユネスコ世界遺産に登録されたアル・ジャデイーダ。16世紀に入植したポルトガル人によって建造された城塞に囲まれた旧市街には、2世紀に渡りモロッコ側の攻撃に耐える力となった貯水槽があり、今でもゴシック様式の見事な建築から、往時を想像することができます。

ポルトガルの貯水槽は曲線が美しい

9. ラバト

新市街にはビルが立ち並び最新型の路面電車が走るラバトは、現国王が住み各国の大使館があるモロッコ行政の中心地です。しかし、その町中に1195年に着工された未完のミナレットや1961年に没した国王ムハンマド5世の美しい霊廟が立ち並び、アザーンが流れると人々が礼拝に訪れる様子はまぎれもないイスラムの風景です。海に面しているので年中穏やかな潮風がふき、シーフードが味わえます。

デザインが細やかで美しいムハンマド5世の霊廟

~サハラ砂漠とカスバ街道~

10. メルズーガ

「サハラ砂漠」。この響きに旅の浪漫を感じずにはいられない人も多いでしょう。どこまでもサラサラの砂山が続いている…そんなイメージを持つ人も多いはず。でも実はサハラ砂漠のほとんどが土漠、礫漠。その中でメルズーガはまさに砂山が続くイメージ通りの場所。赤く輝く砂丘の中をラクダに乗って夕陽または朝陽に染まる地平線を見ることができます。あなたの思い描く砂漠の過ごし方をお選び下さい。(テントでの宿泊は、砂嵐などの天候やロッジ側の都合によりご用意できない場合もありますので、ご注意下さい。)

サハラ砂漠をラクダでゆく

11. ザゴラ

ワルザザートを抜けると大自然のすばらしさに息をのむ風景が続きます。何万年前もの地表をあらわにしているこのあたりの岩山は、化石の採掘場所としても有名です。砂漠地帯をザゴラへと向かうとかつてモロッコ一の長さを誇ったドラア川の恵みにより緑のオアシスの村が点在しています。まるで月面を思わせる荒々しい山々とヤシや果樹の広がる世界のコントラストに、長いドライブの疲れも忘れてしまうことでしょう。

ザゴラ周辺の雄大な景色

砂塵に霞むマアミド
1,000m弱の峠を越えると目の前は、荒涼とした砂漠の風景が広がる最果ての地。アルジェリアとの国境も間近です。荒涼としたサハラ砂漠の風景はメルズーガの美しさとは異なる風景で、自然の力強さを感じます。砂漠の中のテントは村から近いため水を運ぶこともできるので、比較的快適に過ごせます。冴え渡る青空とどこまでも続く大地の中で、ゆったりと1日をお過ごし下さい。ヤシの木に囲まれた静かでのどかなマアミドの村もラクダの背に揺られながら見ることができます。

12. カスバ街道

カスバとは、「城壁で囲まれた要塞」のこと。かつて交通の要衝であったワルザザートからティネリールにかけての道には、土レンガで造られたカスバが至る所 に点在しています。またダデス、トドラ峡谷から流れる水がオアシスを作り、荒涼とした中に映える緑が、美しい景観を作り出しています。

アイトベンハッドウの近くにある村

13. アトラス山脈

地平線が見えるモロッコの大地を真ん中を2分するように走るアトラス山脈。アトラス山脈より北は豊かな農耕地帯の中に、メディナを持つ都市が発達し、南側では、カスバの世界と砂漠地帯になっています。北アフリカ最高峰として有名なツブカル山(標高4,165m)をはじめ、サハラ砂漠からそれほど離れていないところで、冬季には雪を冠した山々が見られます。マラケシュ~ワルザザート間の幹線道路は九十九折の山道を標高2,260mのティシュカ峠まで上り、車窓には豪快な山の雄姿も見られます。

イムリル村からアトラス山脈を望む

14. トドラ峡谷

「地球が、裂けた!?」と思わずにいられない豪快な岸壁に囲まれた谷。高低差200mほどの絶壁が垂直にそびえる姿は、まさに自然の驚異。静かで涼しいこの谷は、暑さと砂漠の疲れを癒すには絶好のポイント。ここには断崖にへばりつくように建ったロッジがあり宿泊も可能です。ただ、ワイルドなところにあるロッジだけに、設備もワイルド。自家発電なので朝夕には電気が使えなかったり、お湯がでなかったりなんてことも。そのワイルドさもトドラの魅力です。

切り立ったトドラ峡谷

15. カサブランカ

モロッコを代表する都市として有名なカサブランカ。新市街は近代的なビルだけでなく1930年代にフランスの建築家が建てたビルも多く残っています。アール・ヌーヴォーやルネサンス様式とモロッコ様式が入り混じった数々の建築物が美しく魅力的です。海上に浮かぶように建てられたモロッコ最大のハッサン2世モスクは贅の限りを尽くして建てられたシンボル的存在です。

モロッコで最大のモスク ハッサン2世モスク

16. マリンブルーの世界 シャウエン

モロッコらしい乾燥した大地を中に突然現れる白壁にパステルカラーが彩られたロマンチックな雰囲気に包まれるシャウエンのメディナ。どこへ行っても観光客がシャッターを押す光景が見られるほど絵になります。ここでは観光よりメディナの自由な散策がなによりお勧めです。赤と白のストライプの布を腰に巻いた民族衣装と色あざやかなボンボリが特徴の麦わら帽子がこの地方の女性特有の姿です。
青の世界のシャウエン旧市街[/caption]

17. モロッコの玄関タンジェ

ヨーロッパまで船でわずか1時間の距離に対峙する街タンジェ。国際的な貿易港として発達してきただけあり、新市街は洗練された大都市の様相ですが、旧市街はモロッコらしい雑踏の風景が残っています。郊外には大西洋と地中海がぶつかる地点にあるスパルテル岬や海賊が暮らした跡が残るヘラクレスの洞窟などの観光ポイントがあります。

タンジェ郊外のヘラクレスの洞窟は神話の舞台にもなった

タンジェ郊外のヘラクレスの洞窟は神話の舞台にもなった

18. タルーダント・タフロウト

タルーダントは、数キロもの城壁に囲まれた古都。城壁の周辺では、暖かい気候のおかげでオリーブやオレンジ、バナナ畑が続き、オート・アトラス山麓の豊かな水源を源に数多くのオアシスが点在しています。この街の魅力はきれいな街並みと、スークの充実さ。特にスークでは伝統的な装飾品を扱う職人も多く、見ているだけで楽しめます。

タフロウトは標高1,200mに位置するオアシスの町です。町の周辺にはヤシの木やオリーブ、アーモンドが栽培され、美しい村や帽子の形をした奇岩ナポレオンの帽子など、近郊には多くの見所があります。

奇岩ナポレオンの帽子

南モロッコには、いにしえから変わらぬ景色と大地で生きる人々の暮らしがあります。


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