その国の食べ物事情は、旅行をする上で、かなり重要なウエイトを占めますよね。今回はそんな、ちょっと気になる(?)ウズベキスタンの食べ物のお話です。
何千年もオアシス住民が住んできたウズベキスタンでは文化の交差点・シルクロードを感じさせるような、さまざまな料理があります。内陸国なので、基本的に肉料理がメインとなり、中でも羊肉と牛肉が中心になります。鶏肉はやや高級品で、豚肉は宗教上の理由もあってか、ほとんど登場しません。どんな料理を注文しても、たいていナン(パン)とチャイ(お茶など)は必ず出てきます。
ウズベキスタン料理の特徴としては、いずれも油っこいものが多いので、お茶と一緒にいただくことをお勧めします。お茶は、脂肪分を分解し、消化を助けてくれるタンニンが含まれているので、ウズベキスタン料理には欠かせない名脇役なのです。
~代表的な食べ物~
ナン
ウズベキスタン人はもちろんごはんも多く食べますが、ナンもよく食べます。食事の際には、必ずナンが出されます。ナンは円形の固めのパンのことで、地方によってナンのスタイルが異なり、厚みが全く違います。西へ行くほどナンは硬く薄くなっていきます。中でもサマルカンドのナンがおいしくて有名です。各地で見比べてもよし、食べ比べてもよし。自分好みのナンをぜひみつけてみてください。
サムサ
オーブンや窯で焼かれたパイのこと。バザールや街中などいたるところで大量に売られており、気軽に食べられる国民食のようなもの。中には玉ねぎのみじん切りとジューシーなひき肉がアツアツの状態で入っています。サムサを窯に貼り付ける作業がとても興味深いので、もし機会があれば、覗いてみてはいかがでしょうか?
シャシリク
いわゆる串焼き料理のこと。バザールや屋台で盛んに食べられるファーストフード的な存在でもあります。シャシリクに用いられるお肉は牛肉、羊肉、鶏肉などさまざまで、地方や宗教・伝統に応じて魚や野菜なども食べられています。
串のまま出ることもあれば肉をはずして出してくれるところもあり。定番の、酢をかけた生玉ねぎのスライスとよく合います。バザールなどではおなかの空き具合にあわせて注文しましょう。炭火で焼かれたものが一番美味です。
プロフ
メインディッシュとして出される料理で、ピラフのこと。大きな鍋でお米、綿や羊の油、にんじん、たまねぎ、肉を入れてゆっくり炊き上げ、サフランで味付けします。豆やレーズンなどもたくさん入っていて、甘いものもあります。たっぷりと黄色いにんじんや柔らかくなった味の濃いお肉が乗っており、かなり脂っこい料理です。トマトなどのサラダと一緒に食べると相性抜群。これまたナンと同様に、地方や家庭によって味が違います。行事によっても様々な種類のプロフがあり、結婚式、お葬式、朝、3時など、行事によって味付けや加える具の決まりもあるようです。
ラグマン
中央アジア全域で広く食べられている手延べ麺。一般的にウズベク風は、トマト味のスープ麺といった感じで、スープにトマトペーストを加えた汁で煮た羊肉、野菜、唐辛子などの具をかけて食べます。麺が太めでコシのあるところや、製法は讃岐うどんに似ていることから、非常に日本人にとってはなじみのある食べやすい料理です。焼きうどんのように焼いたもの(ボソラグマン)や、スープの無い具だけのもの(ギュロラグマン)などもあります。
シュヴィト・オシュ
シュヴィト・オシュは夏の名物なので冷たいです。ヒヴァなどのホレズム地方の伝統料理で、ハーブ入り麺の上にトマトソースの具を載せて頂きます。
食欲が落ちる夏の時期によく食べる料理で、ハーブ入りの爽やかな味のする麺と、酸味のあるトマトソースは食欲をそそります。ハーブには、ディルなどが良く使われています。
マンティ
ウズベキスタン風、肉饅頭マンティは牛肉や羊肉のミンチと玉ねぎで作った中身を小麦粉で作った皮に包んで蒸した肉饅頭。基本はヨーグルトソースやサワークリームをかけて食べますが、トマトやコリアンダーのソースと一緒に食べることもあります。また季節によってはカボチャを入れることもあります。
なかなか日本でお目にかかる機会が少ないウズベキスタン料理。気になる食べ物がありましたらぜひチャレンジしてみてください。
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