★ただいま準備中です(2024/10/8)
鷹狩りのシーズンは10月~3月頃。草原や耕作地の少ない山岳地帯で厳しい自然条件が編み出した芸術的な狩猟方法です。カザフ人は伝統的技法や習慣を、テュルク系諸民族の中でも特に強く残しています。
アルタイ山脈北麓のほぼ中央に位置するバヤンウルギー県。このコースは、この地で暮らす鷹匠にとって最も重要な祭典である「イヌワシ祭」観戦を目的としたコースです。腕の良い鷹匠がひしめくバヤンウルギーで一番の鷹匠は誰なのか。鷹匠たちは己の名誉をかけ、強い信頼関係で結ばれたイヌワシと共にこの祭に挑みます。鷹匠の技を競う競技の他にも、騎馬技術を競うカザフ人特有の競技も行われ、祭典をさらに盛り上げます。祭に出場する一家にホームステイ(6連泊)しますので、カザフの生活や誇るべき伝統文化に触れられるのはもちろん、祭では出場する家族を応援できるということも魅力です。
また、ウルギー市内では、講師とも親交の篤いL.クグルシンさんのお宅にて、カザフ民族音楽プライベートコンサートを開催します。演奏者クグルシンさんは、モンゴル国から文化功労者勲章を授与されるに至った歌手・ドンブラ奏者で、カザフスタン共和国からも招待を受けるほどの実力者。このツアーだけのプライベートコンサートで、2本弦の撥弦楽器ドンブラの音色と伸びのある艶やかな歌声を、家庭料理を頂きながらお楽しみ下さい!
同行講師・西村幹也さんよりメッセージ
本ツアーはカザフ遊牧文化をたっぷり楽しめる内容になっていると自信を持っています。カザフ遊牧文化を代表するのは、鷹狩り、騎馬競技、装飾文化、音楽などですが、これらのすべてを見学できるようなプログラムになっています。
毛皮猟のための鷹狩りが世界的な毛皮市場の縮小の影響で担い手を減らし続け、狩猟文化のみならず、イヌワシを介した自然との関わり方までもが失われようとしている中、2000年に鷹匠文化の保護伝承を目的としてはじまったイーグルフェスティバル(イヌワシ祭)を観戦します。
この祭典は、最も鷹匠が多く暮らすサグサイ村の鷹匠たち主導で開催されます。鷹匠たちが自発的に祭の内容を決めているため、各種騎馬競技、伝統的引っ越しの様子、刺繍、織り、フェルト刺し子などの装飾文化などの紹介をするなど、イヌワシ祭と称しながらカザフ文化祭というべきものになっています。
ほとんどの期間を鷹匠宅にホームステイして、寝食を共にしますので、カザフ遊牧生活を身近に感じることができ、さらにステイ先の鷹匠たちの応援に行くなど、祭がより身近なものに感じられるのも本ツアーならではです。
同行講師の西村は鷹匠家族、旅行会社、刺繍作家、フェルト作家、演奏家など、現地の人たちと15年以上の付き合いを重ねてきました。それぞれに深い解説をしながら、カザフ人を取り巻く社会変化についてなど、貴重な情報を提供します。ご期待下さい。
ツアー関連情報
カザフ民族とバヤンウルギー
己の名誉をかける鷹匠の祭典「イヌワシ祭」
草原に降る星 バヤンウルギー・鷹匠の村を訪ねて
騎馬民族の末裔カザフ民族の伝統を学ぶ・知る
モンゴルの大地の音色、馬頭琴とドンブラ
このツアーに関する説明会のご案内
遊牧民の土地を歩き続けるフィールドワーカー
西村 幹也 (にしむら みきや)
NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ理事長。
文化人類学、宗教人類学を専門とし、北アジア地域でのフィールドワークを30年以上にわたり続け、草原地域の遊牧文化から、シャーマニズムやタイガのトナカイ飼育民(トゥバ民族)、アルタイ山脈地域のカザフ民族たちの生活文化など追い続けている。得た知識や情報、体験を広く伝えたいと情報紙発行、遊牧文化講座、コンサート、写真展、展覧会、講演会など様々なイベントを精力的に開催する他、北海道羊蹄山に北方アジア遊牧民博物館を自力で建築、運営している。これら活動がモンゴル国によって認められ、モンゴル国友好勲章を授与されるにいたる。大阪大学非常勤講師(2021~)。単著『もっと知りたい国モンゴル』(心交社 2009)の他、共著多数。