★8/26(月)発・6日間コースと8/28(水)発・4日間コースを設定!(2024/4/9)
★2024年の焼き印を入れる日が8/30(金)で決まりました!
★定員12名様限定のツアーです
草原に生きる遊牧民の人々が、朝起きて夜寝るまでにどんな暮らしをし、仕事をし、家族でどのような役割分担があるのか。また、自然に対してどのようなものの見方、考え方をしているのか。家畜との関係は。それは遊牧民にとってどのような存在なのか。
本物志向の方は、このような疑問をお持ちになることもきっとあるはずです。ホームステイでしか経験し、感じることのできないものがある。そこには生の暮らしがあり、家族の存在があり、自然との関わりがあり、それらを醸成する時間がある。このツアーではそんな遊牧民の方々の目線に少しでも近づくために、体験どころではなく実際に家族の一員として働きながら、本気で草原での遊牧生活をして頂く、そんなツアーです。
現地で講師兼ガイドとして同行頂くのは、NPOしゃがぁ理事長の西村幹也さん。ホームステイ先は、西村さんが長年家族のようにお付き合いされている遊牧民家族です。さらに草原滞在中、その年に生まれた仔馬の健康に祈りと願いを込める、焼き印の儀式に立会えるよう、日程を合わせています。
草原滞在中は、遊牧民家族の仕事を片っ端から手伝います。ツアー参加者全員に日替わりで様々なミッションが割り振られます。例えば、「焼き印を入れる仔馬を押さえてください。」「朝から晩まで羊について行って、時間が来たら連れ帰ってください。」「燃料になる牛糞拾いや薪割りをしましょう。」「水くみに行きましょう。」「乳しぼりをしてきましょう。」「お茶をわかしましょう。」「食事を作りましょう。」「乳製品を作りましょう。」「馬群の様子を見に行って、連れ帰りましょう。」「家畜小屋を移動しましょう。」「皮紐を現地のやり方で作ってみましょう」などなど。家の中での作法や草原滞在中にやっていいこと悪いことのレクチャーはもちろん、専門家である講師が皆さんの疑問にお答えします。また、草原での夜には、講師による「モンゴル民話がたりライブ」も開催します。(風カルチャークラブ/竹嶋)
焼き印の儀式とは
遊牧民の喜びは家畜が殖えることだ。中でも馬が増えることは極上の喜びである。馬は人々の運気を高める動物であり、良い馬を持つことは遊牧民が思い描く最高の夢なのだ。
生まれた仔馬が立派にたくましく育ち、寒くなり始める8~9月、夏の間ずっと繋がれていた仔馬たちは馬群に戻される。いよいよ一人前の馬として馬群の中で先輩たちと冬を越えなければならない。この時期の仔馬をモンゴル語でサルバーと呼ぶ。経験浅いルーキーという意味だ。群れの新顔ということなのだ。そして、いよいよ雪が降り始めるかという頃、善き日を選んで、トゥブ県の遊牧民たちは、仔馬に焼き印をいれる。馬が一人前になった証であると同時に、はじめて迎える冬を元気に耐え抜いてほしいという願いを込めて主の徴を入れるのだ。
たくさんの馬乳酒をもたらしてくれた馬たちに感謝し、また、仔馬たちが冬を乗り切り、そして来年にはまたたくさんの仔馬たちが生まれきて、豊かな馬乳酒をもたらしてくれることを祈り、願っての儀式が焼き印の儀式だ。
そんな遊牧民の最高の喜びと祈りの場を共に過ごし、馬乳酒を大勢で飲みわけるということは、良き善きことに携わる人々が増えることであり、そのことがより善い未来をもたらすと遊牧民は考える。我々が願いを共有することが、モンゴル草原に暮らす遊牧民の幸せにつながるのだ。草原で願いを一つにすること、ささやかだけれど、遊牧民にとっては最高の喜びへの一歩なのだ。(西村 幹也)
トゥブ県(モンゴル)の場所
遊牧民の土地を歩き続けるフィールドワーカー
西村 幹也 (にしむら みきや)
NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ理事長。
文化人類学、宗教人類学を専門とし、北アジア地域でのフィールドワークを30年以上にわたり続け、草原地域の遊牧文化から、シャーマニズムやタイガのトナカイ飼育民(トゥバ民族)、アルタイ山脈地域のカザフ民族たちの生活文化など追い続けている。得た知識や情報、体験を広く伝えたいと情報紙発行、遊牧文化講座、コンサート、写真展、展覧会、講演会など様々なイベントを精力的に開催する他、北海道羊蹄山に北方アジア遊牧民博物館を自力で建築、運営している。これら活動がモンゴル国によって認められ、モンゴル国友好勲章を授与されるにいたる。大阪大学非常勤講師(2021~)。単著『もっと知りたい国モンゴル』(心交社 2009)の他、共著多数。
モンゴル民族衣装デール ツアー参加者割引あり
現地でデールを制作しているのは、当ツアーでホームステイをする遊牧民家族です。今回はそんなご縁もあり、当ツアー参加者限定で割引があります。
ご予約・注文は、NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁへお願いします。※ご予約・注文は風の旅行社では承っておりません。お問い合わせも含め、直接しゃがぁへご連絡ください。