昨年末からMONGOL KAZE TRAVEL(MKT)のモチコ(直営キャンプ「ほしのいえ」キャンプ長)とザヤー(「ほしのいえ」乗馬リーダー、馬具・備品管理担当)が来日してさまざまな研修に励んでいます。
MKTでは馬具や備品の管理が担当のザヤーですが、乗馬は1,2を争う腕前。数年前から夏は「ほしのいえ」に駐在し乗馬ツアーにスタッフのリーダーとして同行しています。そこで「ほしのいえ草原乗馬学校」ツアーのカリキュラムの改定に関わってもらい、現地で実際にお客様に乗馬を教え、同行のガイドや遊牧民スタッフに教え方を指導をしてもらうため、日本の乗馬学校を訪れて初心者用の乗馬レッスンを実際に体験してもらいました。
モンゴル人は普通、幼いころから夏休みなどに田舎の親戚や友人の遊牧民に預けられて馬に乗ることを覚えます。日本人が箸の持ち方を学校では習わないように(最近は教えることもあるようですが)、モンゴル人にとって乗馬は「自然に覚えるもの」なのです。だからいい年をした日本人が、なぜすぐに馬に乗れるようにならないのか、なかなか理解できないのです。しかし、それではどんなに乗馬がうまくても、うまく教えられません。そこがモンゴル人乗馬ガイドの弱点でした。
特に、日本で乗馬経験がまったくないけど、大草原で乗馬に挑戦してみたというシニアの方が増えてきました。これまでも、風の旅行社では、モンゴルの乗馬について試行錯誤を繰り返し、さまざまな対策を練ってきましたが、乗馬スタッフを増やしたり、レベル分けするだけでは十分ではなくなってきたのです。
そこで、今回の研修では、実際にモンゴル乗馬ツアーを実施したことのある乗馬クラブさんで初心者講習を受けて、日本人の乗馬初心者にモンゴルでの乗馬を教えるにはどうしたらよいか? どうすれば安全に乗馬を実施できるか? についてアドバイスを頂きました。まさに「基本に立ち返る」感覚です。日本の乗馬クラブでも、実はシニア層の会員さんが増えているということで、共通の課題を持っていることも分かりました。
もちろん日本の馬(サラブレッド)とモンゴルの馬では気質も体格も走り方もまったく違うので、日本のやり方をそのまま持ち込むことは出来ませんが、初めて受ける日本の初心者用の乗馬レッスンのやり方に、我々日本のスタッフだけでなくザヤーも目からうろこが落ちっぱなしでした。
「緊張していると体がうまく動かない」と引き馬のまま馬上で体操をしたり、馬の頭やお尻を触ったりと「馬に慣れる」ためのさまざまなテクニックを教えていただき、モンゴルの馬と日本の馬(サラブレット)の違いについても色々と教えていただきました。
日本のスタッフもザヤーも、乗馬のプロの言葉に深く納得の1日でした。