チベットの生活を実際に体験してみたいという方にお勧めのホームステイ。 2015年より新しく設定した「アムド農村ホームステイ6日間」ツアーでお世話になる「アルティ村のタロさん宅」についてご紹介します。
ホームステイ先のご家族と記念撮影（中心の3人がご家族で、民族衣装を着ているのはお客様）
●アルティ村とは？
アルティ村は青海湖の南にあり、西寧から車で約2時間半です。標高は約3,150m。この村の人々はチベットで最も一般的な半農半牧（畑で農作物を育てながら、ヤクや羊などを飼う）という生活スタイルで暮らしています。村に観光客が訪れることはほぼありません。ちなみに、村人が飼育している羊やヤクなどは、普段は周辺の山の草原を移動しているので、村にはいません。
麦畑が広がるアルティ村●ホームステイ先の家族は？
タロさん宅には年配のご夫婦が住んでいます。畑で大麦やジャガイモを作ったり、牛の世話などをして暮らしていらっしゃいます。普段お宅にいるのはご夫婦だけですが、時々ご家族がお手伝いに来たり、お孫さんが遊びに来ることがあります。お父さんは中国語が話せ、お母さんは簡単な中国語の聞き取りができますが、お2人とも日本語は話せません。ただ、日本語ガイドも同じお宅に泊まり、随時通訳しますので、言葉の心配はありません。
タロさんご夫婦●お宅の中は？
アムドの田舎では一般的な造りのお宅です。敷地の大きな平屋です。ご夫婦は敬虔な仏教徒で、家には立派な仏間の他、マニ車（回すと中に入っているお経を読んだことになる）や、中庭にサン（お香）を焚く場所などがあり、信仰の深さが感じられます。家族、ガイドとは別にゲストルーム（個室）が用意されています。電気は24時間利用可能で、各ゲストルームにコンセント（A 型）があります。ただし、田舎なので、突然停電することがあります。また、家の中にハエ、アリなどはいます。チベットの田舎では一般的ですが、調理や暖房などの燃料に、乾燥させた牛や羊の糞を利用しています。糞はとても乾燥しているので匂いはほぼ感じません。冬はセントラルヒーティングで、家中しっかりと暖房します。
お宅の外観
立派な仏間があります
ゲストルームの一例
燃料として使う牛や羊の糞●トイレ＆シャワーは？
トイレは屋内に水洗トイレ（洋式タイプ）が1つと、屋外に落下式トイレが2つあります。温水シャワーが1つありますが、お湯のタンクの量が小さいので、グループの人数が4人以上になると、全員がシャワーを使うことができません。ソーラーシステムのため、天気の悪い日はお湯はぬるいことがあります。また、田舎のため、水道が止まったり、水道の水圧が低い場合があります。その場合はシャワーは使えません。シャワーが使えない時は、顔を洗うお湯をご用意します。タオルや洗面道具はご自身でご用意ください。屋外のトイレに行く際などに、サンダル（下足用）があると便利です。
●食事は？
お母さん作りのチベットの家庭料理です。主食は小麦食品が多く、肉と乳製品が多めです。肉は羊とヤクが中心です。肉料理が豊富ではありますが、野菜を使った料理もしっかりあります。昼食・夕食のメニューはチベット風うどんのトゥクパ、春雨のスープ、チベット風餃子のモモ、茹でた羊やヤクの肉などです。朝食はツァンパ（大麦を炒って挽いた粉、伝統的なチベット人の主食）と自家製パン、ミルクティーです。飼っている牛のミルクで作ったヨーグルトも美味しいです。辛い物、油が多い物はそれほどなく、味付けもあっさりなので、日本人好みです。
＜食事の一例＞
チベット風餃子のモモ
茹でた羊肉
ツァンパにバター、チーズ、砂糖、ミルクティーを混ぜて食べるのが、アムド流
野菜もたっぷりのトゥクパ●ホームステイ中の過ごし方は？
まずは村の散策に出かけます。村の周囲には畑が広がり、大麦、ジャガイモ、菜の花などが作られています。特に夏は緑の麦畑と黄色い菜の花が美しいです。散策の途中で、村のお堂も訪ねます。お参りに来ているお年寄りとおしゃべりしても楽しいです。その他に、家族と一緒に、料理や農作業、家畜の世話をするのもお勧めです。民族衣装を借りて、記念写真を撮ることもできます。ホームステイ中は特に決まったプログラムはありませんので、ガイドとお客様でどのように過ごすか相談しながら、のんびりと過ごします。
村のお堂でおばあちゃんと一緒にマニ車を回す
お母さんに教えてもらい、餃子作りに挑戦なかなか難しい！