木造教会とはルーマニア最北部のマラムレシュ地方に点在する教会で、石材や金属といった素材が使われてなく木材だけで作られているとてもユニークなものです。これらは主に中世の時代に建造されたものが殆どで、オーストリア帝国の一部になった時代には、ルーマニア正教会の聖堂を石で建造することを禁じられたことがきっかけで木造教会建築が行われたと言われています。世界遺産に指定されている木造教会は全部で8つありますが、それらの特徴としては高く大きな屋根があること、木の柱や棟には太陽や綱などの模様の彫刻が施されていること、魚の鱗のように形作られた木の屋根瓦があることなどです。そんな木造教会群の中でも代表的な教会を紹介します。
マラムレシュ地方 世界遺産の木造教会群
※青:イエウド 紫:ポイエニレ・イゼイ 緑:ブテシュティ
茶:デセシュティ 赤:シュルデシュティ 橙:プロピシュ
イエウド村の外れにある教会で1364年に建てられたマラムレシュ地方の木造教会の中では最も古いもので、別名「聖処女マリアの誕生」と呼ばれています。中世ヨーロッパ当時の雰囲気が感じられ、教会内部の壁面に描かれた宗教画が素晴らしく、丁寧に造られたことがよく分かります。
村の小高い場所にある17世紀に前半に建てられた教会で、別名「聖パラスキヴァ」と呼ばれています。教会の内装にはイコン(聖書上の重要な出来事)が書かれていてとても興味深いです。山間の小高い場所にあるため教会から村の眺めが美しいです。
ブデシュティ村に位置し1643年に建てられた教会で、別名「聖ニコラエ」と呼ばれています。他の教会と比べても少し大きく、長さ18m、幅8mの見応えのある木造教会です。教会内部や外観の木彫り模様や内部の宗教画が美しいことでも有名です。
注:こちらの教会はツアーでは訪れません
デセシュティ村に位置し1770年に建てられた教会で、別名「聖パラスキヴァ」と呼ばれています。この教会は内部の宗教画の保存状態が良く、「ラドゥ・ムンテァヌ」という有名画家が描きました。この壁一面に描かれたイコン(聖書における重要な出来事)は見応えたっぷりです。
1724年に建てられたマラムレシュの木造教会群の中では最も標高が高い場所にある教会で、別名「大天使」と呼ばれています。塔の高さはなんと!54mもあり、長さ16mのベランダ、二重式屋根、尖塔の下に小さな4つの塔などがとても特徴的です。また、教会内部の宗教画の保存状態が良いことでも有名です。
1798年に建てられた教会でスルデシュティ教会から僅か1kmの距離にあり、スルデシュティと同じく別名「大天使」と呼ばれています。こちらの塔の高さも47mとかなり高く、屋根の内部がアーチの形をしているのは、マラムレシュ地方ではこのプロピシュ教会だけです。
注:こちらの教会はツアーでは訪れません
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