現代から溯ること13世紀、この時代に多くのドイツ系やハンガリー系住民の移住が始まり、トランシルヴァニア地方には彼らの文化や建築様式を用いた村々が各所に築かれていきました。ただ、その当時のトランシルヴァニア地方は激動な時代でもあり、土着の遊牧民の攻撃やオスマントルコ軍の侵略などが3世紀に渡り繰り返されました。そんな攻撃からの防衛を強化するため、各教会の聖堂は見張り台の役目となり、その教会を中心に防壁や城塞が築かれ現在の要塞教会の姿になりました。
これらの要塞教会群はトランシルヴァニア地方独自の建築物で、これらの要塞教会の殆どが世界遺産に登録されている。そんな世界遺産の要塞教会群の中でも特に有名な4つの教会をご紹介します。
トランシルヴァニア地方の要塞教会群
※赤:プレジュメル 青:ビスクリ 橙:サスキズ 緑:ビエルタン 水色:ヴァレア・ヴィイロル
シギショアラ近郊のビエルタン村にある要塞教会。数ある教会の中でも最も頑丈に造られた教会のひとつで、高く分厚い城壁が3重になっていて3世紀に渡る攻撃を耐え抜いてきた理由がよく分かる。教会の見張り台からの眺めも良く、激動の中世とは全く違うのどかな村の風景が美しい。
シギショアラとブラショフの間のビスクリ村にある要塞教会。美しい田園風景に囲まれた村の小高い場所に位置し、白い壁が美しく保存状態も良い教会。ホールのような構造になっていて、ロマネスク様式のアーチや聖壇そして美術品などが残されている。英国王室のチャールズ皇太子のお気に入りの村としても知られており、中世の雰囲気がそのまま残されている。
ブラショフ近郊のプレジュメル村にある要塞教会。教会を中心に360度防壁で囲まれ、高さが12m、厚さが9mとかなり頑丈な造りになっています。防壁内部が3階建て250室の集合住宅になっていて、かつて外敵から攻撃をされた際も多くの村人を篭城させ村人を守った歴史がある。
メディアシュ近郊のヴァレア・ヴィイロル村にある要塞教会で、別名「聖ペテロ」という名前がついています。13世紀に建てられたロマネスク様式のこの教会は二つの鐘楼を持つのが特徴で、優雅な雰囲気を感じます。また、15~16世紀の家具や礼拝道具なども残されている貴重な教会です。
二つの鐘楼が特徴的なヴァレア・ヴィイロル要塞教会
シギショアラへ向う幹線道路沿いにあるサスキズ村には大きな時計台がシンボルのサスキズ要塞教会があります。既に城壁は残っていませんが、ここのシンボルでもある立派な時計台はシギショアラのシンボルでもある時計台と同じ設計者によって造られたことでも有名です。当時のドイツ人職人の技術の高さを今に伝えています。
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