ペルシアは奥が深い
メソポタミア文明から数えれば5,000年の歴史を誇るイラン。その集積として現在20もの世界文化遺産があります。ペルセポリス、世界の半分イスファハン、ペルシア式庭園などなど。今回はイランの大自然と世界遺産には登録されていないものの神秘性抜群の石碑をご紹介いたします。
◆ダマーヴァンド山
テヘランからカスピ海へ向かう途中に位置するイラン最高峰の山。活火山。標高5,610m。イランでも魔王や龍が閉じ込められていたという伝説が残る山です。その美しい円錐形のフォルムは、神か悪魔が住んでいると思わせるのでしょう。
◆ハーレドナビ廟と謎の石碑群
ハーレドナビはまだイスラム教が興る前、5世紀に現われたネストリウス派のキリスト教預言者。イエメンから来たといわれています。この地でなくなった彼の廟の周辺に、謎の石碑群があります。男性の性器のようにも見える棒状の墓石と、女性の子宮をかたどったとも言われる少し背の低い墓石が約500基もあるそうです。
トルクメニスタン国境にも程近い、風の音しかしないような場所にたたずんでいる風景は、いかにも神秘的です。
◆キャビール砂漠
イランの東半分を占めようかとも思われる広大な砂漠。かつてのシルクロードの旅人や商人たちを苦しめたに違いありません。そして、1日その中を走り続けてみれば、その周辺やまん中に位置するオアシスが、彼らにどれだけ憩いの地であったろうことを改めて気付かせてくれます。
13世紀、ベニスを旅立ったマルコポーロはモンゴル帝国の都カラコルムへ旅をしたのはここから南東に続く砂漠だ。
◆ペルシャ式庭園
美しい花々と水路で飾られた空間。その起源は紀元前までさかのぼるそうです。また、この庭園様式が後世のアルハンブラ宮殿(スペイン)やタージマハル(インド)の庭園に影響を及ぼしていたと聞くと、改めてその存在意義に気付かされます。幾何学的なデザインはイスラムの影響でしょうか?
水をふんだんに使った庭園は、水があたりまえのようにある日本と違って、国土の大半を強い日差し、乾燥した気候に覆われたイランでは、最高に贅沢な空間だといえるでしょう。長い砂漠の旅の後に訪れるペルシア式庭園は格別なものに映ることでしょう。