ツアー名:【平日開催】さえずる夏鳥たち 春の戸隠高原 2日間
2018年5月7日(月)~5月8日(火)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太(みねお ゆうた)
野鳥観察の楽園・戸隠。今年は季節の移り変わりが早いのか、芽吹きがかなり進んでいます。水芭蕉は見ごろを迎えており、森の中には花の良い香りが漂います。GWに雪が降った直後なのが嘘のように居心地のよい気候でした。さて、鳥はどうでしょうか?
春の戸隠高原 1日目
生憎の天気予報で心配した通り、現地に着いた途端、見事に雨が強まってしまいました。なんてこと! これにはがっかりですが、まあ泣いてばかりはいられません。傘をさしながら見やすそうな鳥を狙ってスタート。
雨粒で望遠鏡や双眼鏡もすぐ曇ってしまうので、東屋で雨宿りしながら近くに来る鳥たちを探しました。
それでもさすがの戸隠。屋根の下でも沢山の野鳥との出会いがありました。バトルしたりフライングキャッチしたり、すごい雨のなかでコサメビタキは元気いっぱいです。サンショウクイは見やすい位置に長時間止まってくれました。
また、私も戸隠では初見だったオオタカ成鳥が近くに止まり、よく姿を見せてくれました。
アカゲラが大きな枝の下で雨宿りをしています(それくらい、雨が降っていたということです 笑)。
同じくモミの樹皮の下では、キバシリの巣立ち雛に親が入れ代わり立ち代わり餌を運んでいます。ハシブトガラスが近くを通りヒヤヒヤしましたが、見事な保護色のおかげで難を逃れました。ホッ。
狙っていたキビタキやミソサザイがなかなか囀らないので、「今日の状態を覚えておいてください」と説明し、早めに観察を終了する事にしました。こんなときは気持ちを切り替えて休むに限ります。
今年も宿泊はペンション「山の庭 タンネ」さん。温かいコーヒーや紅茶でお迎えいただき、軒下から庭の鳥やカタクリを見て過ごしました。夜のうちに雨が上がることを願いつつ、この日は終了。
春の戸隠高原 2日目
2日目は早起きして5時出発。雨もすっかり上がり、気温は12℃と快適なバードウォッチング日和です!
もちろん、鳥も昨日とはうって変わって囀りまくり。まずはウグイス、アオジ、ミソサザイでウォーミングアップです。
その後、ガイド泣かせの“あいつら”探し。でも、ちゃんと見られました、コルリ♂とクロジ♂! まだ葉が展開しきっていない林で元気に目の前で鳴いてくれました。
期待していたコマドリは残念ながらスカ。しかし、それでも充実した早朝探鳥でした。安心して朝食に戻ります。
一休み後、再出発。昨日はおとなしかったノジコ、アオジ、キビタキも愛想よく囀り、遠くからはツツドリの声が聞こえます。子育て中のオオアカゲラや、巣作り中のコサメビタキが見られました。
オオアカゲラ
抱卵中のカワラヒワは、巣から出てきて♂と交尾をしています。イカルもペアでイチャイチャ中。アカゲラ、ニュウナイスズメは巣へ出入り、シジュウカラは巣材集め。
最初は何の鳥なのか悩みましたが、柳の中に隠れていたのはキマユムシクイでした。カケスが森の中で動くと、カラ類が一斉に警戒声を上げます。
初日は雨に祟られましたが、それでも2日目に挽回し楽しめたので万々歳です!
山桜は散り納めでしたが、カタクリやエンレイソウ、キクザキイチゲ、ショウジョウバカマ、ネコノメソウ、シラネアオイなど、春の野草の開花がギュッと濃縮されてる印象でした。
野鳥たち、みんな繁殖を頑張ってね! また会おう!
ガイドからのお願い
もし営巣中の巣を見つけても、遠くから観察して繁殖に影響が出ないようにしましょう。木道や登山道で観察する際は、道をふさがないように気をつけましょう。マナーの良いバードウォッチングをお願いします。
【今回確認できた鳥達】
カルガモ、コガモ、カイツブリ、キジバト、ツツドリ、トビ、オオタカ、コゲラ、オオアカゲラ、アカゲラ、サンショウクイ、モズ、カケス、ハシブトガラス、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、キマユムシクイ、センダイムシクイ、メジロ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、アカハラ、コルリ、コサメビタキ、キビタキ、ニュウナイスズメ、キセキレイ、カワラヒワ、マヒワ、イスカ、イカル、ホオジロ、ノジコ、アオジ、クロジ