ツアー名:大雪山・旭岳と天売島 3日間
2018年7月6日(金)~7月8日(日)
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)
ギンザンマシコで有名な大雪山・旭岳と海鳥の繁殖地として有名な天売島、そして近年激減しているアカモズを見るツアーです。
大雪山・旭岳と天売島 1日目
台風7号の影響を心配しましたが、北海道には影響がなく安堵した中のスタートです。まずは大雪山・旭岳に向かいます。ロープウェイで約10分、徒歩約10分でギンザンマシコのポイント到着です。残雪もほとんどなく長靴やアイゼンも不要でした。
ノゴマのさえずりを聞きながら待つことしばし。近いところにギンザンマシコの♀が現れました! いつの間にかハイマツの上にちょこんと止まっていました。幸先いい感じです。
しかし、その後は、時折遠くに出るだけで、近かったのは最初だけ。ロープウェイの最終時間もあったので、この日は下山しました。明日にまたかけます。
大雪山・旭岳と天売島 2日目
早朝からギンザンマシコ再挑戦です。早速、ギンザンマシコの声がしています。やや遠くに、また♀が止まっていました。この後も、昨日のように♀は何度か出てきますが一向に♂が現れません。
すると、ポイントの反対側、雪渓の奥に♂を発見しました。かなり遠いです。しかも、すぐいなくなってしまいました。しかし、その後、ハイマツの中から出入りしている♂を比較的長い間見ることができました。♀型も数羽いました。かなり距離はあるものの、全員♂♀をみることができたので次の目的地、天売島へ出発です。
羽幌港からは高速船で天売島へ向かいました。到着後、すぐに漁船クルーズです。穏やかな波の中、ウトウとケイマフリは複数、そしてウミガラス1羽を見ることができました。
宿へ入り、夕食を早めにとって、いよいよ天売島名物、ウトウの帰巣シーンの観察です。この日は夕陽もばっちりで、夕陽を浴びたウトウが次々と帰ってきます。嘴には魚をくわえています。感動的なシーンの連続です。遠くに利尻富士が浮かんでいます。
夕陽は最後はグリーンフラッシュとなり、辺りはどんどん闇に包まれていきます。ウトウはさらに数を増し、途絶えることなく次々と帰ってきます。中には頭すれすれに飛んでいくのもいます。80万とも100万とも言われるウトウの数に圧倒されます。命を感じる場面です。あっという間に約1時間の観察を終え、宿へと戻りました。
大雪山・旭岳と天売島 3日目
この日は、前日見たウトウの帰巣シーンの反対、海へと餌を捕りに行くウトウを見るため、夜中の2時半から観察です。昨日とは打って変わって、ウトウたちは「オー、オー…」とあちこちから唸り声を上げています。ヒナの声もします。暗闇の中、早くも海へと飛び立っていく個体もいます。
時間が経つにつれて、斜面になっている車道を滑走路にしてウトウが大きな羽音を出しながら次々と海へと飛んで行きます。すごい数です。目の前、顔をかすめるように飛んで行くので、思わずすくんでしまいます。圧巻です。天売島を訪れた多くのバードウォッチャーは、ウトウの帰巣シーンしか見ませんが、この飛び立ちシーンの観察も必見です。本ツアーの目玉はここにあります。
辺りがすっかり明るくなると、ウトウたちはもういません。沖合を見ると…ものすごい数のウトウが浮いていました。先ほど飛び立って行ったウトウたちです。さらによく見ると、ケイマフリの群れを発見。昨日はよく見えなかった赤い脚がよく見えます。それを見ていたらウミガラスも見つけることができました。今日は2羽です。しばし、海鳥観察に酔いしれました。
今度は島を少し回り、小鳥類を観察しました。エゾセンニュウ、シマセンニュウのさえずりやノゴマ、ツツドリの赤色型、ベニマシコなどを見て、天売島を離れました。
最後はアカモズです。ポイントへ着くと、すぐにアカモズを発見。やや距離はあるもののモズとの違いを意識しながら、餌運びをするアカモズを全員でじっくり観察しました。子育ても順調なようです。その他、ホオアカ、ノビタキ、ノゴマなども間近に観察し、空港へと向かいました。
今回は各ポイント間の移動が長かったのですが、天候にも恵まれ、予定した鳥をすべて見ることができました。参加者の皆さん、大変お疲れ様でした。
【今回確認できた鳥達】
マガモ、カルガモ、キジバト、アオバト、ヒメウ、ウミウ、アオサギ、ツツドリ、アマツバメ、オオジシギ、ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミガラス、ケイマフリ、ウトウ、トビ、アカゲラ、ハヤブサ、アカモズ、ホシガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒガラ、シジュウカラ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、シマセンニュウ、エゾセンニュウ、ムクドリ、コムクドリ、クロツグミ、ノゴマ、ルリビタキ、ノビタキ、キビタキ、オオルリ、カヤクグリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ハクセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、ベニマシコ、ギンザンマシコ、ホオジロ、ホオアカ、アオジ、(番外)ドバト