ツアー名:初夏の道東 エゾライチョウとクマゲラを見る 3日間
2018年5月26日(土)~5月28日(月)
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)
道東バードウォッチング 1日目
お陰様で5月の道東ツアーは好評をいただき、今回が2度目の訪問です。まずは前回も訪れたショウドウツバメのコロニーに向かいましたが、残念ながら数羽が巣穴から飛び出していっただけでした。しばらくすると雨まで降り出したので、雨宿りしながら待機しましたが、結局、大きな群れは見られませんでした。
次は阿寒国際ツルセンターへと向かいました。隣接する河畔林や阿寒川では、人気のコアカゲラやシマエナガ、エゾヤマセミなどが見られるチャンスがあります。残念ながらこの日は人気種に会えませんでしたが、ノスリやハイタカの飛翔を見ることができました。また、宿へ向かう途中では、畑で餌をついばむタンチョウの姿を見ることができました。
宿へ入る前の時間を利用し、クマゲラが見られる散策路を歩きました。シマエナガやハシブトガラが高い木々の間を行き来していました。ヤマゲラの「ピョッ、ピョッ」という声もしましたが、あいにく姿は見えません。先へ進むと「キョロロ、キョロロ…」とクマゲラが飛んでいる時の声がし、その方向を見ると、遥か先を飛ぶ姿を確認。そして、木に止まりました。かなり遠かったのですが、大きな木屑を飛ばしながら採餌するクマゲラの♂を見ることができました。
散策路を進むと、先ほどまでクマゲラが採餌していたと思われる切株がありました。どうやら、ここで採餌していて、我々より先に散策する観光客に驚いて飛んで行き、その姿を我々が見たようです。実に惜しい! もうちょっと早ければ…。
道東バードウォッチング 2日目
朝一番の散策路には、センダイムシクイやコサメビタキ、キビタキ、ハシブトガラ、キクイタダキ、アカハラなど多くの鳥が一生懸命さえずっています。いい響きです。
黒いものが飛んできて止まりました。クマゲラです。♂のようなので、きっと昨日と同じ個体でしょう。昨日よりも近くで見ることができました。
朝食後、今度はエゾライチョウに挑戦です。地元で許可をもらったガイドしか入ることができない秘密の場所へ立ち入ります。張り詰めた空気の中、ローカルガイド同行のもと林道を歩きました。なかなか出会えず、あきらめモードも漂う中、出ました! エゾライチョウ!
しかし、すぐに見えにくい場所へ移ってしまったため、体勢を整えて待ちます。結果、遠かったものの全員がなんとか見ることができました。発見当初は肉眼でエゾライチョウ♂とわかる程でしたので、ちょっぴり残念です。
午後は釧路湿原の温根内です。こちらも地元のネイチャーガイド同行のもと、木道を散策です。ショウドウツバメが舞い、ノビタキがあちこちにいて、オオジュリンがさえずるなどのほか、釧路湿原の成り立ちや特徴などの説明を聞きました。
宿へ入る前に浜中町の琵琶瀬展望台から広大な湿原の姿を見ました。感動的です。駐車場ではベニマシコがしきりに採餌している姿を見ることができました。
道東バードウォッチング 3日目
最終日です。霧多布の名の通り、霧がすごい朝でした。朝一で林道に向かいました。ここでもエゾライチョウを狙います。タンポポの種をついばむウソや上空を飛ぶハリオアマツバメなどを見ることはできましたが、エゾライチョウには出会えませんでした。
朝食後は、旅の最後の鳥見の時間です。マキノセンニュウに期待し、琵琶瀬湿原へと向かいました。朝のため、小鳥たちはよりよくさえずり、マキノセンニュウも複数鳴いています。しかし、なかなか出てきません。それでも運よく、その姿を見ることができた方もいたようです。コヨシキリやアリスイ、カッコウなども見ることができました。
今回もエゾライチョウとクマゲラをはじめ、たくさんの夏鳥に出会えた3日間でした。ご参加していただきありがとうございました。
【今回確認できた鳥達】
エゾライチョウ、オシドリ、オナガガモ、カワアイサ、キジバト、アオバト、アオサギ、タンチョウ、ツツドリ、カッコウ、ハリオアマツバメ、アマツバメ、オオジシギ、キアシシギ、イソシギ、オオセグロカモメ、ミサゴ、トビ、オジロワシ、ハイタカ、ノスリ、カワセミ、アリスイ、(エゾ)コゲラ、(エゾ)オオアカゲラ、(エゾ)アカゲラ、クマゲラ、ヤマゲラ、(ミヤマ)カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キクイタダキ、ハシブトガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ショウドウツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、(シマ)エナガ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、マキノセンニュウ、コヨシキリ、(シロハラ)ゴジュウカラ、(キタ)キバシリ、ミソサザイ、ムクドリ、コムクドリ、クロツグミ、アカハラ、コマドリ、ノゴマ、コルリ、ノビタキ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ウソ、シメ、アオジ、オオジュリン、(番外)ドバト