ツアー名:【夜行日帰り】山と森、高原の夏鳥 尾瀬バードウォッチング
2018年6月30日(土)~7月1日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太 (みねお・ゆうた)
昨年に引き続き、今年も尾瀬夜行日帰りバスツアーが催行になりました。ご参加の皆様ありがとうございます。
尾瀬バードウォッチング
5日前くらいまでは雨予報でしたが、まさかの早すぎる梅雨明けとなり、一気にこの日も晴れの予報に変わりました。翌朝からの探鳥にワクワクしながらも、新宿からの夜行バスでなんとか寝て尾瀬戸倉へ。マイクロバスに乗り換えて5時過ぎに鳩待峠到着です。
この日は至仏山への登山道閉鎖解除ということと、梅雨明けして好天の週末ということもあって、たくさんの登山客の姿がありました。ベンチで朝食を済ませている間、頭上にはイワツバメとハリオアマツバメが飛んでいます。
昨夜の雨で木道や石畳が濡れていますので、足元に気を付けながら観察スタートです。早朝はさすがに涼しいですが、すぐに気温は高くなり上着を1枚脱ぎました。東京の暑さは大変なことになっていたでしょう。
エゾムシクイやメボソムシクイのさえずりで迎えてもらい、ちらりと現れるクロジやコルリ、ヤブサメの声を聞きながら進みました。
去年はコルリが見やすかったのですが、今年はコマドリが見やすい枝でさえずってくれます。長いこと観察させてくれ、コマドリの特徴を再確認できました。
しかし、たまにネットの写真などで見る「尾を上げて怒った様子」は、どうやっても通常は観察できませんね。やはりわざとテープ音声等で怒らせたしか思えません。
キビタキやミソサザイのさえずりが聞こえるも微妙に距離があり見つけられずにいましたが、カケスがイモムシをゲットして去る姿やオオルリの見やすい個体、ハチクマのオスが飛翔しているのを見つけてしばらく観察しました。
ベンチがあるごとに休憩しながら進んで、3時間ちょっとで山の鼻の至仏山荘到着。トイレと休憩を挟み今度はいよいよ湿地エリアへ。
天気が良くなり気温も上昇して汗ばむ陽気となり、イカルやハリオアマツバメ、ハチクマ、ノスリ等を観察できました。湿原の植物もこれまでと異なり、カキツバタが群生で咲き、イネ科植物の背が高くなっていて季節がかなり進んでいたようでした。
相変わらず愛想のいいホオアカを観察したあとは、至仏山荘に戻ってランチです。私は美味しいチキンカレーをいただきました。
食後は山荘で営巣するイワツバメの給餌や水たまりでの泥集め等を観察。更にはコムクドリの3家族くらいの混群がモズへ威嚇する様子や、ハチクマの翼叩きディスプレイなども見られました。
山荘でゆっくりしすぎたせいで、帰りの鳩待峠までは探鳥時間も少なめの道のりとなりました。それでもコガラの幼鳥への給餌やアオジの全身幼羽、ゴジュウカラの採餌、コルリ、コマドリ、エゾムシクイのさえずりを聞きながら歩きます。
茂みがガサガサと大きく揺れ、クマなら戦わなくては! と緊張感が高まったところで現れたのは大きなシカ。一安心し、大木から響くキツツキ類の雛の声を聞きながら終了となりました。
全行程、ゆっくり歩いて往復9時間・10キロくらいでした。暑い下界には降りたくなくなるような、快適な風が吹く尾瀬散策となりました。また来年も楽しみです、ぜひ避暑探鳥に行きましょう!
【今回確認できた鳥達】
マガモ、カルガモ、コガモ、キジバト、ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、ハリオアマツバメ、ハチクマ、ノスリ、コゲラ、アカゲラ、モズ、カケス、ホシガラス、ハシブトガラス、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、イワツバメ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、メボソムシクイ、エゾムシクイ、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、コムクドリ、アカハラ、コマドリ、コルリ、ノビタキ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、キセキレイ、ハクセキレイ、ウソ、イカル、ホオアカ、アオジ、クロジ