添乗ツアー名 ● 絶景キャンプとヒマラヤ展望 のんびりハイキング7日間
2013年12月29日~2014年1月4日
文・写真 ● 田中 真紀子(東京本社)
「ヒマラヤが見たい!」「快適に、でもいつもと違う別世界でリフレッシュしたい」「せっかくだから少し歩きたい。でもハードすぎないのがいい」そんな我侭なリクエストを見事に叶えてくれるのが、GWや年末年始の人気ツアーとなっている『絶景キャンプとヒマラヤ展望 のんびりハイキング7日間』です。
魚のしっぽという意味のマチャプチャレ峰をはじめ、アンナプルナ連峰やマナスル連峰の大パノラマ、満点の星、農村散策、など挙げだしたらキリがないがない程に魅力や見所が詰った内容となっていますが、実は風スタッフが声を大にしてお勧めするポイントがもう一つ。それは、風のこだわりの宿『風のいえ』を泊まり歩く日程になっていることです。
風の旅行社には直営ロッジ、関連宿泊施設がネパール、モンゴルを中心に数軒あり、それらを称して『風のいえ』と呼んでいます。ネパールには、3つの『風のいえ』があります。ダンプス村にある直営ロッジ「つきのいえ」、カトマンズ市街に2013年11月にオープンしたばかりのホテル「風ダルバール・カマルポカリ」、そして現在は風の旅行社は経営に関わっていないので正確には「風のいえ」ではありませんが、建設当初から理念を共有している「はなのいえ」です。
みんな大好き!風の直営ロッジ「つきのいえ」
初日の出に染まるアンナプルナ・サウス
元旦早朝、つきのいえ近くの丘から
『風のいえ』と、他の宿泊施設の何が違うのか問われたら「ホスピタリティ、清潔感、安心感」と私は答えます。特に風の直営ロッジである『つきのいえ』は、風の旅行社のお客様しか泊まれません。部屋は5部屋、定員10名。しかも、中庭と自慢の露天風呂からはマチャプチャレ峰、アンナプルナ・サウス峰などのアンナプルナ連峰が見渡せます。部屋に入れば、日本から空輸したお布団が清潔にふかふかに保たれていて旅の疲れを癒してくれます。本当の贅沢とはこういうことだと感じていただけるような立地、環境、雰囲気なのです。
そして私達スタッフだけでなく、お客様も、訪れて何より心癒されるのが「つきのいえ」マネージャーのトゥルバハドール(通称:トゥル)の笑顔ではないでしょうか。まさに「つきのいえ」のコンセプトにもある“ネパール人が自分の家にお客さんを招いたように迎える” ことを自然と、当たり前のように、できる人です。そして誰よりもよく働いています。
今回同行したお客様たちからは、その笑顔と雰囲気があまりにも優しく包み込んでくれるようだったので、男性にも関わらず「おかあさん」と呼ばれていました。美味しいネパール料理もトゥルの手作りです。今回は「つきのいえ」の滞在が大晦日だったので、なんと、Happy New Yearケーキをサプライズで手作りしてくれました!なんとも粋な計らいに皆さん大興奮。大いに飲んで食べて盛り上がった後に、中庭でキャンプファイヤーをしながら、新しい年を迎えました。
トゥル特製のニューイヤーズ・ケーキ
つきのいえのスタッフ達
右から2番目がトゥル
元旦に書初め。つきのいえにて
マウンテンリゾート「はなのいえ」
はなのいえ場所
ダンプス村から歩いて約3時間のところにあるアスタム村に「はなのいえ」があります。パーマカルチャーという循環型有機農場を併設し、客室やダイニング、暖炉のあるサロンからはアンナプルナ連峰を望める、マウンテン・リゾートです。
人と自然がより良く共存するための環境をめざして始まったはなのいえ。今は、その心地のいい空間に、時間を忘れ、俗世を忘れ、日頃の煩悩を遠くへ押しやり、ただひたすらに「あ~、ここに来てよかったなぁ~」と思えるような場所と時間を提供してくれます。太陽の動きによって変化する山々と自然から、時間の流れの豊かさを、大事に育てられた野菜や採れたてのミルクからは、命の源を、そしてそこに集う人々の笑顔やリラックスした空気を感じて、ほっとできると思います。
夕食前に暖炉で談笑
窓からはヒマラヤがはっきり見える(写真提供:福山様)
農場では水牛も飼っている。1日2回乳絞りを
したミルクで作ったミルクティーは絶品
はなのいえの昼食は有機野菜を活かした幕の内弁当
夕暮れのはなのいえ
カトマンズに新たな風のいえ「風ダルバール・カマルポカリ」
ネパールの伝統的な歴史や文化を紹介でき、他にはないサービスを提供できるホテルをやりたい、Nepal Kaze Travel社長のプリスビー・シュレスタのそんな想いが結実したのが、カトマンズに完成した新しい風のいえ「風ダルバール・カマルポカリ」です。ダルバールはネパール語で「館」、カマルポカリは地名で、蓮の泉という意味です。ダルバールの名にふさわしく、ホテルは約75年前に建てられた(*1)ラナ家の館を改装して建てられたヘリテージ・ホテルとなっています。
つき、はな、と泊まってから最後に(または改めて)風ダルバールに泊まると、風の旅行社が大事にしている“その国らしさを尊重し、大切にした、旅づくりとおもてなし” が現実のものとして立ち現れることに感慨を覚えます。動き始めたばかりの風ダルバールはいろいろな意味で風らしく、こだわりが随所にちりばめられているのにどこか手作り感があり、アットホームな温かさと、臨機応変な対応、そしてスタッフの一生懸命さとホスピタリティを感じることができました。そこで働いているスタッフが、その場で働いていることを誇りとしていることが、自然と彼等の笑顔や振る舞いを通して伝わってくるようで同じ場にいる自分も嬉しくなりました。
*)1846年から1951年までネパールを支配した宰相家。王政復古まで104年にわたり代々宰相として独裁権力をふるった。
風ダルバール外観
風ダルバール ダブルルーム(一例)
中庭のチョータラ(休憩所)は憩いの場
朝食は洋食と和食から選べます
ロビーにはネパールのお土産も買えるショップがあります
もうひとつの隠れテーマ
最後になりますが、このコースを通しで参加すると、体感できることがもう一つあります。
実はこのコースはアンナプルナ方面のトレッキングをしながら「ネパール・トレッキングの変遷」を味わえる構成になっています。トレッキング初日はテント泊、2日目はロッジ泊、3日目はリゾート泊、と段々と宿泊施設がレベルアップしていきます。この流れがまさにネパールのトレッキング・スタイルの変遷と重なるのです。
数十年前まではネパール・トレッキングはコック同行でテント泊するキャンプ・トレックが主流で、その後トレッカーが目的地まで自分で歩きロッジに泊まり歩いていくバッティ・トレックが登場しました。今もこの2つのトレッキング・スタイルがネパールでは一般的です。
それからしばらくしてから、歩かずにヒマラヤを快適に見たいという方のニーズにも応えるように建てられたのがマウンテン・リゾートで、近年、より幅広い選択肢の中から旅行者は旅ができるようになっているといえるでしょう。
オーストラリアンキャンプからアンナプルナ連峰を望む
【写真提供_錦戸様】
キャンプでも風の特製テントを使います
【写真提供_錦戸様】
今年から出発日限定で複数回このコースを設定しています。見て、歩いて、食べて、感じる、楽しい旅になると思いますので、是非みなさまもご参加ください。お待ちしております!