講座名:自然が残る東京湾 小櫃川河口
2018年4月22日(日)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太(みねお ゆうた)
小櫃川河口バードウォッチング
田植えが終わったばかりの水田に朝日が反射してとても綺麗です。路線バスを降りたら、小櫃川の河口部へ向かって散策開始。春らしい田園風景の中、早速上空からヒバリの声でお出迎え。畔ではキジが母衣(ほろ)打ちしています。
藪の中では数羽のアオジがリラックスして羽繕い中。水を張った田んぼに、夏羽で顔が真っ黒になったユリカモメが目立ちます。どちらも渡りの準備をして休憩中かな?
初鳴きから1か月ほど経ち、ウグイスのさえずりはかなりうまくなりました。セッカやホオジロ、コチドリの声もします。確認できた数羽のコムクドリは、一瞬で木に飛び込んでしまいました。
マリーナ付近ではたくさんのツバメが飛び交っています。ふと、窓辺の1羽のツバメに目がとまりました。あれ? なにかおかしい。窓辺にとまっているのではなく、窓の中からこちらを悲しげに見ています。どうやら建物に迷い混んで出られなくなってしまったようです。
早速、マリーナの方にお願いして窓を開けていただきましたが、幸いそんなに長いこと閉じ込められてはいなかったようで、元気に飛んでいきました。(その夜、枕元にツバメ美女が現れ…ませんでした。オスのツバメだったか。)
河口部の川際にはコメツキガニやアカテガニがすごい数で群れており、歩くと足元のカニがザワザワーっと道を空けてくれます。セッカがさえずるBGMの中を進むと、頭上をチュウシャクシギが飛翔していきました。
いよいよ干潟へ出たようです。ぜひ皆さんに見てもらいたかった、昔から変わらない東京湾の原風景が広がっています。遠くには賑やかに潮干狩りを楽しむ家族が見えますが、河口付近には誰もおらず、まるでプライベート干潟のようです。
見事な保護色のシロチドリが数羽で追いかけっこをしては立ち止まっています。アオサギ、カワウ、スズガモの群れ、ミサゴやダイゼン、夏羽のユリカモメ、カニを食べている4羽のチュウシャクシギなども観察できました。池の中にはまだ渡っていないヒドリガモやコガモの姿もありました。
海を眺めながらの昼食タイムを挟み、のんびりと14時くらいまで散策して終了。もう少し色々な種類のシギが見られたら「大満足」となったのでしょうが、昔ながらの東京湾の姿を見る事ができた充実のバードウォッチングでした。来年も小櫃川河口での講座を企画しますので、ぜひご参加ください。
【今回確認できた鳥達】
ヒドリガモ、カルガモ、コガモ、スズガモ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、ダイゼン、コチドリ、シロチドリ、チュウシャクシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、ミサゴ、トビ、キジ、モズ、ハシブトガラス、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、セッカ、オオヨシキリ、ムクドリ、ツグミ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、アオジ、ドバト