ちょい呑み

*風のメルマガ「つむじかぜ」684号より転載

立ち呑みが流行っている。つまみは100円台で美味いというから益々人気が出ているそうだ。営業的に見ても、狭いスペースでやれるか初期投資も少なく気軽に開業できる。そういえば、中野でも随分件数が増えたように思う。

立ち飲みとは少し違うが、「ちょい呑み」というのも流行っている。中野の“銀だこ”でもハイボールを飲んでいる姿を見て、最初は「え?」と不思議な感じがしたが結構若い男女が飲んでいる姿を見て、「へえ?なんだか世の中は昔に戻っているなあ」。と漠然と思うようになった。

さらには、「角打ち」までもが流行っているという。「角打ち」とは、酒屋の中で立ち呑みを行うことだが、今では立ち呑み形式の居酒屋で酒を飲む場合でも「角打ち」と呼ぶことが増えてきたそうだ。しかし、私から言わせると全く違う。
酒屋は、通常は、飲食店業のライセンスを持っていないから、食事を提供することを業とすることはできないはずだ。販売したお酒とつまみを、持ち帰らずにそのまま酒屋で飲む、それが「角うち」だ。

どうして、こういう呑み方が流行るのだろうか。しかも、若い人に人気がある。私には、どうしても立ち飲みというと、疲れたサラリーマンが一人、ワンカップにおでんでちょっと引っ掛けて帰る。そんなイメージだ。どうも全く違うらしい。

吉野家は、「吉呑み」という造語までつくってオリジナルのメニューを展開している。100~350円で「牛煮込み」や「牛すい」、「子盛りサイズの牛丼」といったメニューを揃えている。スマートフォンのアプリ上で「デジタルボトルキープ」がまでできるというから面白い。日高屋の「ちょい呑み」も好調だそうだ。

先日、セブンイレブンがコーヒーのように生ビールサーバーをおいて一杯100円、大が150円という「ちょい呑み」ブームに乗っかった販売を始める、というニュースを見て、「え?そりゃあいくら何でもまずくないか?よのなか、昼間から酒飲みばかりになるぞ」。と直感的に思ったが、この発表は直ぐに取り消しになった。理由はわからないが、誰かが止めに入ったのではなかろうか。

さて、私も酒呑みの一人だが、「ちょい呑み」は、酒を習慣化し結果、アルチューが増えるように思えてならない。昔から「酒を覚える」というが、一回覚えたら忘れない。それが酒だ。「お前なんかに言われたくないぞ!」という声があちこちから聞こえてくるがそんな心配をしてしまう。

そう言いながら、これから、今日も日本橋へ行ってきます。仕事です!


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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