*風のメルマガ「つむじかぜ」683号より転載
西日本に大雨が降り大きな被害が出た。近年の異常気象は、もはや異常でも何でもなく通常現象になってきた感がある。従来の治水対策では、今後は、水害は防げないことも明白になってきた。
震災と違って、大雨になることは何日か前から分かる。大雨が降って避難警報も出される。にもかかわらず、今回は170人以上の死者が出てしまった。まさかと過信し逃げ遅れたという例もあるようだが、自然の猛威に比して、なんと人間の力の小さいことか。
一方で、4年前の広島市の安佐北区や安佐南区での土砂崩れの教訓もあり、避難警報が早く出されるようになり、広島県に限らず愛媛県でも無事に逃げ切った方が大勢いらっしゃる。自治体の心づもりの差が大きく出てしまったようだ。
しかし、命は助かっても、家も町も滅茶苦茶である。こうした被害を誰が補償してくれるのか。現在のところ、火災保険で補償が受けられるが、全ての保険に付与されているのではない。住宅火災保険、普通火災保険には水災の補償はなく、住宅総合保険、店舗総合保険に水災補償あるのだそうだ。しかも、いろいろなタイプがあり、補償選択型のものもあって、もしかしたら契約時に補償を外してしまっているかもしれないそうだ。至急、要確認である。
仮に保険である程度補償されても、街の復興には時間がかかる。避難生活を余儀なくされれば、健康を害する恐れもある。第一、またすぐにも大雨が襲ってくれば、同じような被害が出るかもしれない。西日本にこうした水害は多いようなイメージだが、もはや日本中、どこで起きても不思議はない。
何とかならないのか。砂防ダムをもっと高くするとか、大雨が降ったら水を逃がせる水路を新たにつくる、堤防を高くする、など何か方策があるだろう。防災庁を創設し防災に関する専門的な対策を強化しようという動きもあると聞いた。南海トラフ巨大地震や首都直下地震への対策も必要だが、異常気象、特にゲリラ豪雨や今回の広域にわたる大雨への対策が必要だと思う。
ところで、私はマンションの10階に住んでいる。いくらマンションは頑丈だと思っていても、地震の時に尋常ではない揺れに大きな恐怖心を抱く。10階までが浸水禍に見舞われることはなかろうが、町がやられたら生活には大きな影響が出る。
何れにしても、災害への準備をもう一度チェックして整える必要がありそうだ。先日、カップラーメンはお湯ではなく水でも食べられるという情報を得た。防災用の食料品ではなく、普段使いの食料を少し多めに用意しておくというのが一番有効だそうだ。皆さんの備えは如何に!
★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。