都知事選

*風のメルマガ「つむじかぜ」590号より転載

大騒ぎしたわりに、都知事選は盛り上がらないまま終わってしまった。突然ではあったものの、鳥越氏が出馬したことで与野党の対立構造が出来て、もう少し盛り上がるかと期待したが、鳥越氏の準備不足は否めず、演説も具体性に欠け、頼りなげに映ってしまったに違いない。

それに比べると、小池氏は、自民党を敵に回してでもやり抜くという信念の強さが前面に出して、東京っ子の粋に感じる情緒に上手く訴えかけ、その結果、頼もしさすら感じる人も多く出て、後出しジャンケンが有利とされた都知事選のセオリーを見事に覆して圧勝してしまった。いやはや見事である。

それにしても、小池氏の初登庁の際の都議会議員、議長、そして自民党都連の対応のひどさには呆れてしまった。殆どの議員は迎えにも出ない。議長は写真も拒否。都連は、小池氏があいさつに行っても事務所に2人しかいない。これじゃあ、子供の喧嘩のほうがまだましで、大人げないとはこの上ない。何のために都政を担っているんだと私でも言いたくなる。

小池氏は、都議会、都政の透明性の確保を強調していたが、今一つピンとこなかった。しかし、こんなことがあると、そうか何かあるのか、と疑いたくもなる。
インドネシアの国家予算にも匹敵する予算を動かす東京都という組織は、想像するに、大変な権力の行使が伴うことだろう。それが、一部の既得権者たちで牛耳られているようなことがあるなら大変なことである。

それにしても、ここにきて女性のトップリーダーの存在が際立つ。ドイツのメルケル首相、英国の次期首相に就任することが決まったテリーザ・メイ内相、加えて米国大統領になると予測されるクリントン氏、そして、国家レベルではないにしろ小池氏だってなかなかのものである。

そんな折、高校生の野球部女子マネージャーが甲子園で練習の際にユニホーム姿でグランドでノックの補助をしたことで注意を受けたというニュースが話題になった。グランドに立つのは、女子は危ないから男子でなくてはならない、という規則があるのだそうだ。今時、女子のプロ野球リーグだってあるのに不思議なルールとしか言いようがない。

しかし、こうしたルールは、世の中には結構あるのかもしれない。特に伝統のあるスポーツや組織になればなるほどそうかもしれない。何か問題にでもならない限り、変更などあえてされないのが普通だろう。いい機会だから見直してみてはどうだろうか。

明日からブータンに添乗で出ます。日本は猛暑が続きそうですがしばし涼しいところに行って参ります。帰国後、ブータンの近況をご報告します。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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