原油安と打ち出の小槌

つむじかぜ511号より


原油安とルーブル安が続いている。家の近くのガソリンスタンドも、一時は157円していたガソリンが133円になった。円安でもそれを上回る原油安というわけだ。

ロシアのルーブル安は、この原油安に端を発している。なんと、ロシアは、サウジアラビアに次ぐ世界第2位の産油国で、ロシアはGDPの75%を石油と天然ガスに依存しているそうだ。11月28日、OPECが減産を見送ったことで原油安が続き、ルーブル売りも止まらなくなったということらしい。

「週刊東洋経済」12/27‐1/3号によれば、12/1~15に原油価格は13%下落、ルーブルは23%も急落。急遽、ロシア中央銀行は、今年6回目の金利引き上げを12/16に実施。6.5ポイント引き上げ、年17%にしたが効果なく、1ドル=70ルーブル台に一時続落。翌17日には、ロシア財務省が通貨介入を行っていると発表。束の間戻したが、再び下落に転じた。通貨防衛はことごとく失敗している、とのことだ。

どう考えても、実体経済以外に、ヘッジファンドなどの輩が暗躍しているに違いない。いつものこととはいえ、嫌な連中である。

しかし、ルーブル安を笑っていられるだろうか。円は大丈夫か。日本は借金だらけで返す目処も何もなのに、量的緩和でお札を刷る輪転機を回し続けている。その日本の国債が暴落しないのは、外国投資家が買っていないからだといわれるが、2013年9月末時点の外国人投資家の日本国債保有率は8.0%である。このくらいの数字なら問題がないということなのだろうか?

ちなみに日銀の保有率は19.3%だ。日銀が保有するということは、国の借金をお札を刷って賄っているということだから、私には共食いしているようにしか見えない。もはや、国が借金をしている感覚は、誰にもないに違いない。そのうちに、打ち出の小槌からは、砂しか出なくなったらどうするのか。すべては先送りということらしい。

さて、こんなに原油安になったのだから燃油特別付加運賃も下がるに違いない。が、12月は間に合わず1月からだそうだ。ところが、燃油は下がっても元の航空運賃を上げる航空会社もあるとか。これが本当なら、消費者を愚弄するにもほどがある。そうならないよう、しっかり監視していくことが必要だ。

12/27からネパールへ14名のお客様と一緒に行ってきます。天気もよさそうです。皆様には、一年間大変お世話になりました。来年も、よろしくお願いいたします。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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