アベノミクスの綻び

つむじかぜ507号より


どうも、アベノミクスはペンキが剥げてきたようだ。消費増税が導入されたから4-6月期はGDPが下がっても、7-9月期はプラスに転じる。それがシナリオだったはずだ。

株が上がり、円安で輸出企業が収益増になっても、GDPの約6割を占める肝心の個人消費が伸びて来ない。「まだ途中、これからです」といわれても疑わしくなってきた。

その大きな原因は、第3の矢、成長戦略が出てこないことにある。何故出てこないのか。成長戦略を打ち出すには、大胆な規制緩和が必要だ。例えば、企業や個人が、簡便な手続きで農業に参入できるようにするとか、発送電を分離するとか大規模かつ大胆な規制緩和である。そうすれば、新しい投資が生れ成長へと繋がっていくというわけである。

ところが、自民党は、こうした規制緩和に反対する既得権もった人々と切ってもも切れない持ちつ持たれつの関係があるから、やすやすとは規制緩和ができないようだ。しかし、それは、今に始まったことではない。

それにしても、地方は、かなり疲弊している。ただごとではない。円高が続いた当時、地方から中国などアジア諸国に工場が移転し、働く場所がなくなって、都会への人口流出が止まらない。円安になっても、すぐには工場は戻ってこないが、食料品などの物価高だけがやってきたというわけだ。

アベノミクスは、日銀の大胆な量的緩和から始まった。簡単に言えば、お札をどんどん刷って市場に流すということだ。しかし、これは中央銀行にとっては『禁じ手』ともいわれている。失敗すれば、円が大暴落をおこし日本経済が立ち行かなくなる危険があるからだ。

冗談じゃない。そんなことをしたら株も国債も暴落し、倒産が相次ぐことになる。食料品は高騰し、国民生活はメチャクチャになってしまう。そんなに簡単に失敗してもらっては困る。しかし、こんな変な解散総選挙は、それを覆い隠してのことじゃあないのか。と妙に勘ぐってしまう。

「もう昔とは社会構造も経済構造も違う。自民党は古い」と民主党はいう。これまた、ただの机上の論理、詭弁のようにも感じる。確かに、お金を使うならコンクリートから人へ移行すべきだろう。しかし、やはり産業を興し労働をしてこそ人は生きていける。お上が金をばら撒くような政策は愚作である。

初めての選挙になる次男いわく「う~ん、選挙といってもなあ、う~ん?」
私も、「そうだよなあ。これじゃなあ。う~ん、う~ん、う~ん、、、?」

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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