最近、3週間続けて関口宏の「人生の詩」という番組を見た。ちょっと演歌調のこの題名にな じめなさを感じながらも、関口宏が話を聴く相手・出演者に惹かれてつい見てしまった。加藤登紀子、由紀さおり、そして昨日は、北山修(きたやまおさむ)。いずれも私より少し上の世代である。
北山修、加藤和彦、端田宣彦のザ・フォーク・クルセダーズがデビューして、「帰って来たヨッパライ」が大ヒットした1968年当時、私はまだ小学6年生だったが、レコードを早回しして “ふざけた”歌詞のこの歌をとてもよく覚えている。
ヒットすると引っ張りだこになって毎日「帰って来たヨッパライ」を歌う羽目になった。歌うといっても、ステージで歌っても早回しにはならない。そこで、録音した「帰って来たヨッパライ」を流し口パクであわせる。「あんなもん、5、6回歌えばあきますよ。まさに口パクですから、ウソなんですね。もう本当に厭になりました」と、きたやまおさむは語る。
私は、歌手としての北山修はあまり印象にない。「あの素晴らしい愛をもう一度」、「風」、「戦 争を知らない子供たち」などの作詞者としての記憶しかない。ラジオでこういう曲がかかると、初めに作詞、作曲者が紹介される。その際の「キタヤマオサム作詞」というフレーズが耳に残っている。
番組の中で語った以下のような内容が印象的だったので紹介する。
「私は、振り返る性質。過去を振り返って考えてしまうんです。振り返るのが結構好きなんです。加藤和彦は、振り返りません。まっすぐ前を向いて、前のめりで生きていく。対照的な性格でした。」
「愛は、隣にあるんです。正対して正面にあると思うでしょうが、そうじゃあなくて隣にあって同じものを見ているんです。最近は、同じものをみて共感するということが少なくなりました。みんなネットやゲームで時間をすごすようになって、見ているものがバラバラになっています。愛は、感じにくいですね。」
現在は、精神科医であり大学教授である。いろいろな本を書いている。番組終了後、早速、AMAZONで3冊、きたやまおさむの本を買った。この週末は、きたやまおさむにじっくり浸ってみようと思う。