中国四川省のカム地方に添乗した時の こぼれ話1のつづきです。
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「チベット料理」というと、裸麦を炒って粉にした「ツァンパ」とヤクの「干し肉」、モモ(チベット風の餃子)、トゥクパ(同うどん)、バター茶など肉製品と小麦粉もしくは裸麦(チンコー麦)の粉、乳製品というのが一般的なイメージだと思います。(そもそもイメージできないという話は置いといて)
草原に暮らす遊牧民が多く暮らすカム地方の中心地、デルゲやガンゼといった町に行けば、まさにイメージどおりのチベット料理が味わえます。
しかし、東チベットの中でもさらに東部に位置するギャロン地方は、チベット文化圏の中では比較的標高が低く、人々が住んでいる標高は3,000m弱。山には多くの樹木が生え、森は深く、山菜やキノコの名産地として知られています。最近、日本では雲南省のシャングリラ産やブータン産のマツタケが有名になっていますが、地形や気候的にはギャロンはシャングリラやブータンに近いので、やはりここでもマツタケをはじめキノコ類が採れるのです。道中何度も「ああ、なんだかブータンに来たみたいだ」と感じることがありました。
ツアー中は清潔なレストランを選ばなくてはならないため、ローカルなチベット料理屋よりも、こぎれいな中華(四川)料理屋で食事をすることが多いのですが、その料理の中でもシイタケ、キクラゲなどのキノコ率が高いのが印象的でした。まさに地産地消です。
そして、昨年のツアーでも、今年のツアーでも、ギャロンに属す松崗村ではおいしいキノコ鍋をいただきました。
写真では上に肉が載っていてキノコがまったく見えません(笑) が、鍋の下のほうには、水で戻した乾燥キノコ(マツタケなど)がたっぷり入っていて、とても美味でした。ラサには「ギャコック」という鍋料理がありますが、こちらのほうがより中国風。中華料理が繊細で雅で優しいイメージなのに対して、チベット料理はワイルドで荒々しいイメージですが、中間に位置するギャロン料理はその両方を程よくミックスした感じといえばよいのでしょうか。まさに「中華世界とチベット世界がせめぎあう地域」の味という感じがします。
そして、ギャロンで最後に泊まる村日隆では、宿の人が山に入って採ってきた山菜とキノコなどギャロン的な「やさしい」食材と、ヤクやツァンパなどチベット的な「ワイルドな」食材とが競演していて非常に美味でした。
そんなラサとは一味違う東チベットの「チベット料理」も、是非お楽しみください。
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