ヤマザクラの前で
[開講日]2014年2月23日(日)
[講 師]成清 陽
報告者●福井 智子
風カルチャークラブ初めての名古屋開催。会場となった海上の森センター遊歩施設は、瀬戸市海上の森の西南の端にある森にあります。サッサと歩くと40分弱の散策道です。ここで5時間を過ごすこの講座の内容はいったいどんな・・・と、ちょっぴりの不安と共に同行しました。しかしここは奥に広がる海上の森全体の魅力をギュッと縮めたようなところでした。
ソヨゴ(雌)
歩き始めの気温は3度と低めでしたが、晴天に恵まれ、ホーホケキョとウグイスの鳴き声もします。平安時代の窯跡『窯の歴史館』まで落ち葉をひろいながら歩きます。『窯の歴史館』のそばにソヨゴという常緑樹の雄と実をつけた雌がありました。木には雌雄がわかれているものが結構多いのだそうです。
窯跡を見た後は拾った落ち葉でじゃんけんです。
葉の縁のトゲトゲが大きいほうが勝ち・より丸みを帯びているほうが勝ち・虫食いがたくさんあるほうが勝ち・・というように、拾った落ち葉を比べます。
葉を見比べてじゃんけん
タカノツメの落ち葉
ホオノキの落ち葉
『窯の歴史館』から下ると沢が流れています。ここから次の目的地『繭玉広場』に続く道にはホオノキ、ヤブツバキ、サメカズラ、ウグイスカグラ、クロモジ、シデコブシ、ハンノキなどたくさんの木や草に出会います。クロモジの枝の香を嗅ぎ、サメカズラの表裏つるつるの葉にさわり、ウグイスカグラの花を見つけ、木々を見上げて成清先生の話をききながら進みます。
シデコブシのふわふわの花芽 鳥の大好物です
ウグイスカグラの花
『繭玉広場』で休憩をとり、『物見の丘』へ。落ち葉の間に落ちたアベマキのどんぐりや、リスが食べた松ぼっくりの食べかすもみつけました。
アベマキのどんぐり 芽を出しています
この森にリスがいると分かるサインです
『物見の丘』ではちょっとした美術の時間を楽しみました。紙の下に葉っぱを置き上から鉛筆でなぞると、はの輪郭や葉脈が写しだされてきれいです。色鉛筆を使うとよりきれいで絵のようです。これは、フロッタージュという絵画の技法なのだそうです。
思いのほか楽しい作業です
緑の色鉛筆は葉がきれいに写りました
その後も、月桂樹に似た香のするヤブニッキ、強風に耐えるよう幹がねじれて育つネジキ、皴の寄った樹皮に親しみを感じてしまうタカノツメ、その昔、飢饉に備えて(新芽を食べるため)植えるよう令が出たことから名がついたリョウブ(令法→リョウブ)など、さまざまな木々にふれる楽しい充実した時間はあっという間に過ぎたのでした。
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