ツアー名:シロエリオオハムの北帰行とコウノトリの子育て
2019年4月6日(土)
文●ツアーガイド:久下 直哉(くげ・なおや)
春らしく澄みきった青空に恵まれて、バスは丹後半島に向け大阪駅を出発します。
今回は北帰行するシロエリオオハムやアカエリカイツブリの観察、そしてコウノトリの子育てを観察することが目的です。丹後半島の沿岸は1997年1月にナホトカ号座礁による重油災害で海鳥が大きな被害を受けました。私自身、重油で被害を受けた海鳥回収に協力した際の経験を話をしながら、11時頃に観察地点へ到着しました。
丹後半島バードウォッチング
観察地点から早速、海上を見渡しましたが、初めは目が慣れないので、なかなか海鳥を見つけられません。しばらくしてようやくアカエリカイツブリの3個体が浮いているのを確認しました。アカエリカイツブリはとてもよく潜ります。その後、別のポイントでシロエリオオハムの姿を観察できました。
ただ波と波の間に隠れてしまうのと、この鳥も潜るのでとても見やすいとは言えません。スコープに入れて見るタイミングもやや苦労します。観察しているとあっという間にお昼となり丹後半島名物の「ばら寿司」を楽しんで頂き、次への出発前にヒメウを観察しました。
コウノトリの郷公園バードウォッチング
次の目的地は兵庫県立コウノトリの郷公園です。今年もコウノトリが郷公園前の巣塔で子育てを始めています。3/20頃には3羽のヒナが孵化し、4/3の下見の際にはその後も順調に育っているのを確認していました。郷公園に到着までの車内では、コウノトリの絶滅から野生化するまでのエピソード等を解説しました。
バスが駐車場に到着すると、上空をコウノトリが旋回しながら迎えてくれました。まずは駐車場から巣塔を眺めます。白い綿羽のヒナが首を伸ばしているのが確認できます。
その後、コウノトリ文化館で展示を見た後は、全体を2班に分けます。前半と後半で時間を分けて、巣塔を眺める事ができる特別なポイントに向かいます。ポイントに到着すると綿羽に覆われたヒナが3羽、親からの餌待ち状態です。間もなくして親が交代しました。交代と同時にエサを吐き出し、給餌シーンを見る事ができました。
その様子は2班共に観察する事ができました。きっと、今日のコウノトリの観察は印象に残ったことでしょう。
出石川の湿地帯バードウォッチング
最後に但馬の鳥仲間から「出石川の湿地帯」にシギチが入っている情報がありましたので立ち寄ってみます。セイタカシギ3羽とオグロシギ1羽、シロチドリ3羽の3種の姿を観察できました。
ほかにもコガモやヒドリガモ、カルガモが休息し、最後にカワセミの姿を観察してツアーが終了となりました。帰りは夕日に照らされる桜を車窓から見ながら大阪駅に戻ってきました。
この度はツアーにご参加頂きまして、誠にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。
【今回確認できた鳥達】
キジ、ヒドリガモ、カルガモ、コガモ、アカエリカイツブリ、キジバト、シロエリオオハム、コウノトリ、ヒメウ、カワウ、ウミウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、コチドリ、セイタカシギ、オグロシギ、ウミネコ、セグロカモメ、ミサゴ、トビ、カワセミ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ジョウビタキ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ
久下さん同行ツアーはこちら!
【バードウォッチング】関西編
関連よみもの
「風の鳥日和」 ガイド・レポート一覧
「風の鳥日和」 スタッフブログ一覧
「風の鳥日和」 パンフレットのご請求・お問い合わせはこちらから