ティンプーが通年の首都となるまで、300年もの間「冬の都」として栄えた古都プナカ(標高1,300m)。ブータンの都市としては標高が低く、亜熱帯気候で米の二期作が可能で、サボテンやバナナも生い茂っています。
ポ・チュ川とモ・チュ川という2つの川が合流してできるプナツァン・チュ川に沿ってのどかな田園地帯と美しい棚田が広がっています。歴史的な建造物とのどかな農村、そして大自然が魅力です。そんなプナカ観光のみどころをご紹介します。
ブータン・ヒマラヤの展望台 ドチュ・ラ峠
ティンプーからプナカ、ウォンディフォダンへ向かう際に越える峠(ラは峠の意味)です。ティンプーから約22㎞、45分ほどのドライブでたどり着きます。標高は約3,150m。晴れていればブータン・ヒマラヤを一望できます。観光客用のレストラン/カフェがあり景色を眺めながら食事を楽しむことができます。
ドゥク・ワンゲル・チョルテンとドゥク・ワンゲル・ツェチュ祭
「ドゥク・ワンゲル」とは「ブータンの勝利」と言う意味です。峠に建ち並ぶ108基の仏塔は、2003年のインド国境でゲリラ掃討作戦の勝利を記念して第4代国王の王妃が建設した「ドゥク・ワンゲル・チョルテン」。
2011年からは、毎年12月13日に、この戦いの勝利を祝う「ドゥク・ワンゲル・ツェチュ祭」が開かれています。伝統的な仮面舞踏の形式を踏襲し、ブータン軍の勝利を守護神たちへ報告し感謝します。
ブータン建築の粋を集めた美しき城 プナカ・ゾン
1637年、ブータンを統一した建国の祖“シャプドゥン”ンガワン・ナムゲルがポ・チュ川(男川)とモ・チュ川(女川)の合流点に建設した、攻めにくく守りやすい堅固な城です。
ブータンの国王は夏はティンプー、冬は温暖なプナカで政務を行っていました。正式にティンプーが「通年の」首都となった1955年まで「冬の首都」として歴史的にも政治的にも重要な役割を果たしてきました。また、1907年12月17日に初代国王の戴冠式が行われるなど、ブータンの王室ともゆかりの深いお城でもあります。
※民族衣装のゴ、キラを着用して訪れる場合は、正装が求められるので必ずカムニ、ラチュというスカーフが必要です。(すべてのゾンで同じ対応)
毎年2,3月(太陰暦なので毎年変わります)には、ドムチェと呼ばれるブータンの建国物語を再現するお祭が開かれます。
ブータンの「静」と「動」の祭 歴史絵巻プナカ・ドムチェと仮面舞踏ツェチュ
チミ・ラカン
ブータンでは「チミ・ラカン詣でをするまでは子供を諦めてはいけない」と言われるほど、霊験あらたかな子宝の寺。ブータンで非常に人気のある瘋狂僧ドゥクパ・クンレイがドチュ・ラ峠の魔女を封じ込めた場所に建っているとされています。ロベサ村の外れの小高い丘の上に建ち、田んぼのあぜ道をのんびり歩いて訪れます。道中には、農村の風景や人々の暮らしを感じることが出来、楽しいハイキングが楽しめます。
ウォンディフォダン・ゾン
ダン・チュ川とプナツァン・チュ川の合流地にそびえるお城。1639年に、守護神イェシェ・ゴンポのお告げに従いシャプドゥンが「横たわった象の鼻の形をした山の頂」に建設しました。以前は、このゾンの中庭でウォンディ・ツェチュ祭が開かれていましたが、残念ながら2012年の失火で焼失し再建工事中。
カムスム・ユーレイ・ナムゲル・チョルテン
プナカから北へモ・チュ川を15分ほど遡った丘の上に建つ仏塔(と言うより仏塔型のお堂)。
4代国王の王妃様が、国家の繁栄と加護を祈願して2004年に建設。車道脇の吊橋から美しい棚田の風景の中を30分ほど歩いてたどり着きます。プナカの穴場的ハイキングコース。
サンチェン・ドルジ・ルドゥプ尼僧院
チミラカンなどプナツァン・チュ川沿いを見渡す丘の上に建つ、ネパールのボダナートを模したストゥーパが印象的な尼僧院。4代国王の王妃様の実家が施主ということで、たびたび王族がお参りに訪れるので、その際は参拝できない。40名ほどの若い尼僧が修行に励んでいて、仏教的な修行のほか、刺繍や彫像、タンカ制作なども学んでいます。
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