ラダックの農村・ニンム村でホームステイ

文・写真●田中 真紀子(東京本社)

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ニンム村はレーから約33km、インダス川とザンスカール川の合流地点付近にある、小さな農村です。厳しい自然環境の中で人々は家族や村の人々と力を合わせて暮らしています。ニンム村の人々は農業を生業としている人も多く、多くの家が自宅の周りに大麦などの畑を持っています。1年を通じてほとんど雨が降らず乾燥した大地が広がり、夏は30度前後の暑さ、冬は-20度以下の極寒という厳しい自然環境の中で人々は家族や村の人々と力を合わせて暮らしています。
夏に訪れると、杏やりんごなどの果物や、大麦などの穀物の収穫に忙しい村人の様子が見られます。忙しいといっても、そこはラダック。あくせくした感じはなく、「あ~、忙しくて大変だね~」と皆で笑いながら、手を休めずに、せっせと動いている感じです。

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ニンム村のホームステイ先

ニンム村では風のラダックのお客様だけを泊めて下さるお宅が3軒あります。ナンソ家、ヨンダク家、ワツェ家、です。家の周囲には畑や杏の木が広がり、村を囲むように山や川が流れています。

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実は面白いことにラダックでは家に名前がついています。例えば、ナンソ家に現在住んでいるご家族の苗字はワンチュックさんですが、ニンム村の人々はこの家を「ワンチュックさんの家」と呼ばずに、「ナンソの家」と呼びます。これら名前は、ボン教など土着宗教の影響もあって付けられたそうですが、この慣習のきっかけなど詳しいことは地元の方でもよく分からないそうです。

ホームステイ先周辺の様子を見る(動画)
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民家の様子

ナンソ家外観
ナンソ家外観
村でも1、2番目に大きいナンソ家
ゲストルーム
ゲストルーム
ゲストルーム(一例)お客さん用の布団をご用意しています


仏間
仏間
仏間は家で一番大事な部屋
台所
台所
立派な台所


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※『ラダック・ホームステイ! チベットの奥地に息づく「もったいない」精神』で人力社のお二人がお世話になったのは「ナンソ家」です。2015年現在、ナンソ家は、フランスの会社に家屋をリースし、夏季はホテル「ニンム・ハウス」として営業している為、ホームステイ先はそれ以外のお宅となります。


農作業の様子

ホームステイ先では農作業のほか、家畜の世話や家事手伝い(料理など)、などお手伝いもできます。
ラダックでは一般的に、4月~9月にかけて雪解け水を引いて畑を灌漑し、大麦、小麦、マメ、アンズやリンゴなどの果樹を育てます。ホームステイ先のナンソ家は家の敷地内に杏とりんごの果樹園があり、夏は収穫の様子(早い年は6月~収穫開始)や、屋根で干しアンズを作っている様子が見られることでしょう。滞在中は家畜の世話などもできますが、6-7月は山に放牧に行くことも多く、日中は家畜不在の場合もあるかもしれません。
ラダックの農作業カレンダーを下記にまとめましたので、お手伝いに興味ある方は是非参考になさってください。

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夏は杏つみのお手伝いをしたり、
(木には登りません)
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時間があれば、ニンム村周辺の散策にもでかけます
農作業風景の様子
農作業風景の様子


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滞在例:ホームステイ先の家族と一緒に料理を作る

ホームステイではごく一般的な家庭に滞在するので、食事も奇をてらったものではなく、なるべく家族が普段食べている食事を出して貰っています。ラダックの家庭料理で多く登場するのは、スキウ、チュタギ、モクモク(モモ。チベット風餃子)、野菜カレー、ダル豆スープ、などです。「スキウ」は大麦の粉の団子にしたものを野菜や肉と一緒に煮込み料理で、同じ要領で大麦の粉をリボンのような形にして煮込んだものが「チュタギ」です。このいずれの料理も、使うスパイスは同じで、ターメリック、黒胡椒、しょうが、コリアンダー(ドライ)、などをからし油などで炒めて作ることが多いそうです。
滞在中、私も夕食のチュタギ作りをヨンダク家で手伝わせてもらいました。ヤンチェンお母さんが練り上げた生地をリボン型に成型していきます。初めはどう形をとればいいのか分からず戸惑いましたが、ガイドのスタンジンが横で器用な手つきで作るのを真似ているうちにすぐに慣れました。台にたくさんのチュタギが並ぶ姿はなかなか壮観。
そして出来上がったチュタギも野菜の優しい味が滲み出ていて、とても美味しかったです。

家庭料理「チュタギ」を作る

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1 粉を水とあわせ、生地をつくる
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2 生地の型をとる
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3 丸の端をあわせ、リボンのような形に


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4 型を成型を手伝う
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5フォーチュンクッキーみたいな形
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6 野菜と一緒に煮込んで、「チュタギ」完成


休憩や朝食の様子

ラダックの家庭で、休憩時や食事に必ず出されるのがグルグル茶(バター茶)です。バターを専用の機械で攪拌させ、紅茶と混ぜて煮込んで作ります。乾燥しているラダックのような土地では、塩分摂取と唇の保湿効果もある土地に合った飲み物です。主観ですが、チベット自治区のラサ周辺よりバター味は薄く、ブータンより少し濃い目な味付がラダックでは多い気がします。グルグル茶が苦手な方には、ブラックティー(紅茶)を勧めてくれるので、好きな方を選んで召し上がってくださいね。

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グルグル茶(バター茶)を作る様子も頻繁にみかけます
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攪拌したバターを紅茶に注ぎます
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朝食や休憩時にはバター茶か紅茶を沢山出してくれます


朝食(一例)
朝食(一例)
朝食風景
朝食風景(イメージ)。焼きたてのタギ(パン)で卵を包んで、いただきます!



地元の人の家に泊り、同じものを食べる、まさにラダックの日常を味わえるホームステイは、旅にまたとないエッセンスとなります。心温かな家族が迎えてくれるラダックのご家庭へ是非訪れてみませんか?

ジュレー!お待ちしてます
ジュレー!お待ちしてます



※ホームステイ先の家・家族の指定はできません。(募集型企画旅行の場合)
※ホームステイ中にしたいことなど、リクエストがあれば事前にお知らせください。


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出発日設定2025/04/15(火)
ご旅行代金468,000円
出発地東京
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