ダムシュンの大草原と羊を放牧する遊牧民
大都会を抜け出しチベットの草原世界へ
青蔵鉄道の開通に象徴されるように、チベットなかでもラサは年々発展を続けています。ポタラ宮よりも大きな高層ビルが建ち、どんな大僧院の僧侶が引っ越してきても余ってしまうくらい高級マンションが分譲され、ロバやヤクの代わりにタクシーや自家用車が行き交っています。
そんな大都会ラサを出発。青蔵鉄道の線路を横目に、進路は北西へ。ヤルンツァンポ河の支流トゥールンチュ(「チュ」は川の意味)が穿った狭い谷に沿って上流へとさかのぼっていきます。2時間ほどで温泉が湧くヤンパチェン(羊八井)の街に到着。温泉から噴出す湯煙の向こう側に、雪を冠したニェンチェンタンラ山脈が見えてきたら、開けた草原地帯へと風景が一変します。道はさらに草原を貫くように走り、遊牧民がテントを張り、トラックドライバーたちが休憩を取る大草原の小さな街ダムシュンへ。
草原へとつながる一本道
草原にでました!
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チベットの草原で遊牧民になろう!
抜けるような青空と、どこまでも続くかのような大草原。テントを張りヤクやヒツジを追う遊牧民たち。真っ黒に日焼けした顔と、その反対に真っ白な歯。顔に刻み込まれた深い皺は、強い太陽光線と逞しく生きる彼らの強さの証。ラサから僅か160kmですが、そこは写真集や写真展で見るチベットのイメージそのままの大草原が広がり、あちこちに遊牧民の黒いテントが点在しています。ラサから出発する中国人向けの『ナムツォ日帰りツアー』では、休憩程度で素通りされてしまうダムシュンの草原ですが、風の旅行社ではこの地にテントを張って遊牧民気分の草原キャンプを楽しむツアーもご用意しています。
気が付くといつの間にやら好奇心旺盛な遊牧民の子供たちがどこからともなくやってきて交流が始まることも。天気に恵まれれば、昼は広大な草原、夜は満点の星が美しく、いつまでも見飽きることがない草原のチベットがそこにはあります。
好奇心旺盛な遊牧民
草原ではトラックの陰で涼みます
好奇心旺盛な遊牧民
草原ではトラックの陰で涼みます
ヤクを連れた遊牧民
遊牧民のテント
ヤクを連れた遊牧民
遊牧民のテント
いざ!峠を越えて天空の湖ナムツォへ
朝早くダムシュンを出発して「天空の湖」ナムツォ湖に向かいます。行く手にそびえるのはニェンチェンタンラ山脈。真夏でさえも雪が降ることもあるランチェンラ峠(5,132m)からは、晴れていれば大草原に浮かぶようなナムツォ湖が一望できます。峠を下りナムツォの村を過ぎると、琵琶湖の3倍もあるという海のようなナムツォ湖が広がります。
まさに絶景です
湖に突き出した島には、聖なる岩山が聳え、周囲は巡礼路となっています。ラサから日帰りでやってくる普通の中国人観光客は、湖畔でヤクに乗って記念写真を撮る程度ですが、チベタンの巡礼者は修行場やお堂、ランジュン(「自然に生じた」仏像、聖人の足跡などの)が点在する巡礼路をコルラ(周回)するのが習わし。順応がうまくいっていれば、やってみない手はないでしょう。
巡礼路を1周するのにゆっくり歩いて約2時間(健脚なら1時間ほど)。アップダウンはほとんどありませんが、日差しを遮るものがないためかなり暑くなります。遠く輝くニェンチェンタンラ山脈と、その前に広がるナムツォ湖の青い湖面には、容易にそこが「聖地」だといわれる理由が理解できるでしょう。大自然のスケールの大きさにチベットの信仰心の源泉まで感じ取ってしまう、そんな風景が広がっています。
標高4,700m。碧く澄んだ湖水を湛えるナムツォ湖
聖なる湖で巡礼ハイキング
聖地の「気」を充填!
聖なる湖で巡礼ハイキング
聖地の「気」を充填!
関連ツアー
チベット・タイムトラベル 神話の世界から現代へ
終了ツアー ツェタンとラサ、青蔵鉄道で行く天空の湖ナムツォ 9日間