原油高騰の原因は、いうまでもなく、先物投機を行なう投機屋の連中の仕業である。燃油サーチャージが高くなりすぎて、私たち旅行会社の売上は激減している。漁師は、今にも廃業に追い込まれそうだ。食料の値上げが人々の生活を直撃し、世界中で、今にも暴動が起きそうだ。世界中が、なんだかとても苛立っている。
先日、深夜に帰宅し、焼酎を一杯飲んで寝ようと思いながらテレビをつけたら、NHKでサブプライムローン問題を詳しく伝える番組をやっていた。番組を見ていたら、段々腹立たしくなってついつい飲み過ぎてしまった。結果、翌朝、二日酔いになった。家で呑んで、二日酔いとは、嗚呼!情けない。
サブプライムローンは、米国の大手証券会社が、このローンを組み込んだ商品を販売したことに始まる。デリバティブ商品(投資信託のようなもの)というやつだ。その売上を伸ばすために、ローンを組む銀行からローンそのものを手数料を払って証券会社が買い取る。銀行は、数千ドルの手数料を受け取ってノンリスクで貸し出す。最後には、審査なしで貸し出していたそうだ。ある日、米国の住宅価格が下がり始めた。お金の流れは、逆流し、次々に負の連鎖が勃発したという訳だ。
米国の証券会社が出した商品に、世界中の金が流れ込んだ。もちろん日本の金も。投資信託とは、投資の先を証券会社などに任せてしまう。自分の金がどんなことに使われるのか分からない。貯金しても利子がつかない。少しでも儲けたい。そう、みんな考える。仕方ないことだが危険だ。
アメリカの投資ファンドの人間は「私たちがやらなくても、誰かがやるんです。だから、やらなきゃ損です」平気でこう開き直る。
今、サブプライムローンの代わりに原油を組み込んだ商品を米国の証券会社は販売しその売上を急激に伸ばしている。原油高騰を非難する自分の金が、もしかしたら、めぐりめぐって原油投機に使われているかもしれない。なんとも、皮肉な話だ。原油が下がり始めたら、また、サブプライムローン問題と同じ現象が起きる。
金が金を産む。なんら生産しないし価値も生み出さないのに、金だけが膨らむ。誰か、こんなバカバカしいことを止めてくれと叫びたくなる!なんだか、熱い熱い夏がやってきそうだ。ちょっと、頭を冷やして冷静になろう、と思うが、今日もまた呑んでしまいそうだ。