車はどうして売れなくなったのだろうか。GMは、返済能力が全くない人たちにもローンを組ませて、証券化して儲けるというサブプライムローンと同じ手法をとっていた。車自体の商品力で売っていたわけではない。一方、トヨタは、ハイブリットなどの技術力や燃費や品質の良さで売ってきたように私は思う。
しかし、日本国内で年々車は売れなくなっている。何故だろう。そもそも、車は壊れない。殆ど故障なく10年は乗れる。3年ごとに新車に乗り換えるといった人もいるが、最近は、環境保全の意識が強まり、且つ「もったいない」という考え方が見直されて、車の買い替え期間は長くなっているように思う。実際調べてみたら、日本自動車工業会がまとめた2007年度の自動車市場動向調査によると車の買い替え期間は、2005年の平均7.4年から7.7年に長期化したそうだ。たった2年でこの数字だ。
しかし、もっと深刻な問題は、車への憧れがなくなったことだと指摘されている。車でドライブすることに憧れ、何時かは、もっと大きな車に乗りたい。誰しもがそう思った時代は遥か昔の話である。
実は、海外旅行も全く同じことが言える。海外旅行への憧れはなくなり、行ければいいという時代は終わった。特に、若い人にその傾向が顕著で「なんで海外へ行く必要があるの?」と言われてしまうくらいだ。自動車も「別に、欲しいと思わない。」とあっさり若者は言う。
然るに、最近、韓国や上海など近場のアジアへの超格安パッケージが大きく売上を伸ばしている。為替の影響だが、実利があればこれくらい商品は売れるのかと改めて驚いてしまう。若い人には、どんどん海外に出て欲しいと思う。買い物目当てでも決して悪いことじゃないが果たしてこれは海外旅行と言えるのだろうか。夢、憧れ、好奇心、そして、感動。そんなわくわくするような、キーワードが躍る海外旅行に出かけて欲しいものだ。