*つむじかぜ229号より
先月からネパールの王宮が開放され見学が出来るようになりました。私は3月末にカトマンズに行きましたが、王宮の入口は、入場を待つネパール人で長蛇の列が出来ていました。ネパール人には無料でもいいのではないか、と思いますが有料だそうです。
団体客は別の入口があるとか、団体客用のバス駐車場が設置されるとか、そういう配慮は全くないので、現在は、カトマンズの市内観光に、王宮観光を入れることは出来ませんが、ネパール人が一通り見てしまえば外国人観光客も使えるようになると弊社カトマンズ支店のスタッフは言っています。
ネパール国民には大変複雑な思いがあると思います。特に、2001年6月1日に王宮で起きた、あの衝撃的な乱射事件で、国王夫妻他王族9人が殺害された事件が、大きな心の傷になっているように思います。当時、現地のスタッフが、「ネパールは、これからどうなるんでしょう?」と、ため息をつきながら私に呟いたことを思い出します。
2008年5月28日、ネパール制憲議会は、賛成560、反対はわずか4の圧倒的多数で、240年続いた王制を廃止し共和制に移行することを可決しました。王宮は、この時、博物館になることが決り、開放されることになったというわけです。
ネパールは、現在、明治維新のような大転換の真っ最中にあります。しかし街の様子はあまり変わりません。カトマンズの喧騒は、一層激しくなっているように思います。この国が元気になった証拠かもしれません。
★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。