益々、新型インフルエンザのことが気がかりになってきた。5/21現在、日本国内の感染者数は、神戸、大阪を中心に278人。あっという間にアメリカ、メキシコ、カナダに次ぐ大量感染国になってしまった。韓国では、検疫官が日本人観光客に警戒を強めており、韓国から日本へのツアーが中止されたりしている。一ヶ月ほど前は、対岸の火事みたいな心境でメキシコでの豚インフルエンザのニュースを見ていたが、今度は、日本が他国からそう見られている。
5/18、舛添大臣は、今回の新型インフルエンザは、季節型のインフルエンザと変わらないという見解を示し、政府の行動計画を1週間以内に見直すことを発表した。橋下大阪知事は、即座に上京し、「早く季節型のインフルエンザ対応に切り替えないと、このままでは都市機能が麻痺する」と舛添大臣に直訴した。実に、分かりやすく的確な行動だと感じ入った。
一方、現場は混乱している。神戸市では、発熱外来だけでなく一般医療機関でも治療を開始し、遺伝子検査を行わない。即ち、季節型のインフルエンザと同じ治療に切り替えると決めた。しかし、大阪市は、それでは、感染しているかどうか不明になり疫学調査ができないとして遺伝子検査を継続するとした。すべては、国の方針が明確でなく後手に回っているとしか言いようがない。
基礎疾患をもった方々や妊婦への心配もあるから、あまり乱暴な議論はできないが、現実的な対応で社会生活の混乱を防ぎつつ、治療態勢を整え、秋の流行に備えワクチンを早期に製造することが必要だ。WHOは、既に、その方向に踏み出した。もし、強毒性に変化したら、果たしてそのワクチンが効くか否かは不明だが、ワクチンが無ければ大混乱になることは間違いがない。病気の恐怖もさることながらそのパニックを考えたらゾッとする。
いずれにしても、今回の政府の対応のあいまいさで現場が混乱している様子を見ると、鳥インフルエンザのような強毒性が襲来したらどうなるのか。多くの人々が、不安に思うに違いない。