今年から、「地球の歩き方海外ボランティア」という雑誌に、ペルーとモンゴルの学生向けボランティアツアーを掲載した。以前にも本稿で書かせて頂いたが、最近の若い人が海外に出なくなったことへの危機感から始めたことだ。
もちろん、「10日程のツアーで何ができるんだ。ボランティアと称して商売しているだけじゃないか。そんな偽善的なことは止めた方がいい」。という批判があることは重々承知している。それでも、あえてやってみた。結局、最少催行人員には満たなかったが、各一本ずつツアーを出すことにした。まずはやらないことには次に繋がらない。
そのツアーも終って反省会をもった。「やっぱり作りこみが大事。学生は、真剣。生半可じゃダメ出しされてしまう」。これが添乗に出たスタッフたちの感想だ。参加してくる学生は、決して、いい加減ではなく、それなりに意識が高くまじめに考えて参加してくるので、当り前だが、それにきちんと応える必要がある。もちろん、現地への影響も考えなくてはならない。現地が迷惑するようなら止めた方がいい。
普段、弊社が行っているツアーとは全く趣がことなり、若い学生さんを相手にして、これまた若い弊社のスタッフや、現地のガイドたちは少々張り切りすぎなくらい頑張ったようだ。彼らにとっても、色々な刺激があった。これが、彼ら自身の成長に繋がってくれたらいいと思う。
何でもそうだが、初めはいいが繰り返すうちに色々問題が生じる。勝負は、そこからだ。しかし、そこまで行かないと人間は成長しない。実に厄介である。器用な人は、先まで見越して初めから手を出さないか、出したとしても問題が生じる前に退散してしまう。今回の取り組みは、是非、不器用にやってほしい。
旅で様々なことを学び、それが、その後の人生に大きな影響を与えたということもよくある。だから、本当は、若い人には好奇心の赴くまま、冒険心をもってどんどん海外に飛び出してもらいたい。「インパラの朝」の著者のようにとまでは言わないがそれが望ましい。暫くは、おせっかいを続けてみようと思う。