イスタンブールより

つむじかぜ404号より

イスタンブールにやってきた。街のいたるところに国旗が掲げられている。10/29は、トルコにとってNational Day(共和国宣言記念日)。国旗とともに、ケマル・アタチュルクの写真が飾られている。ビザンチン帝国時代は、コンスタンティノープル。まさに東西が接する要衝である。

高校時代に、世界史を勉強した時、どうもよく分からない地域が幾つかあった。日本という島国で育ったせいか国境がある程度はっきりしないと落ち着かない。日本は、時系列で直線的に歴史をたどれば全体が把握できるが、統治した民族も、宗教も、そして国境も時代によって大きく変わる歴史は、大変把握しづらい。私にとっては、小アジアは、そんな地域の一つだ。

とにかく、私が一番苦手だったこの地域の歴史を振り返り整理しながらの観光になった。観光の目玉ともなっている歴史的な建造物は、新市街地と旧市街地を隔てている金角湾を挟んで形成された坂のある風景の中に綺麗に浮き上がっている。その周りには、レストランや小さな店が並び、とても綺麗でエキゾチックな街である。

中でも、ビザンチン帝国時代のギリシャ正教の大聖堂アヤソフィアと、その向かいに立つオスマン帝国時代の最も大きな建造物スルタン・アフメット・ジャーミ(通称ブルーモスク)は、圧巻である。外観も、とても均整の取れた美しい建物だが、中に入ると驚きのため息が漏れる。

今回は、日本旅行業協会の仕事で来ているので、宿泊のホテルは、新市街地側のコンラッド(ハイアット)で、観光でも食事でも、その度に金角湾の近くまで20分ほどかけて出て行く。大型バスを使うような団体旅行は、どうしても、こうした大きなホテルを使うことになる。

アヤソフィアの近くにホテルをとれば、朝の散歩が全く別物になる。グランドバザールにも歩いていける。素敵なレストランも数知れずある。実際、この周辺にもホテルは数多くあるが、10~30部屋くらいの小規模なホテルが多い。風がツアーを作るなら、やっぱりこのロケーションが大切だ。

さて、もう、朝の出発の時間だ。まだ、ホテルと主だった観光地しか行ってないから、イスタンブールの表面をなぞったような感覚しかない。団体だから仕方ないが、こういう観光は、やっぱり風のお客様には、合わないだろうなとつい考えてしまう。今日は、もう少し雑多な街に入って肌でイスタンブールを感じたいものだ。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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