11/6、11時過ぎにトルコ航空で成田に到着。飛行機の中では中々眠れないので、かなりボーっとしていたが、京成のホームで新聞を買って、スカイライナーに乗り込んだ。すぐに「万里の長城で邦人遭難」の記事に目が行った。まだ情報が少ないのか、詳細がつかめない記事だったが、天候が崩れ吹雪で動けなくなったということは分かった。
翌日、11/7の朝のテレビニュース等で、大きく取り上げられ、段々詳細が分かってきた。どのニュースも、トムラウシの遭難事故を起こした会社が、教訓を生かせず、まったく同じ事故を起こした、と手厳しい批難が続いた。
弊社にとっては、他山の石とし、わが身を振り返る機会とするしかない。到底、他人事のように批判はできない。弊社がツアーで扱う地域でも、コースによっては、天候を読み間違えれば、遭難事故がおきる危険性がなくはない。また、車の事故や、落馬や、自転車のツアーでの事故などを考え、様々な対策が必要だ。やるべきことは、山のようにある。
肝心なことは、安全第一を言葉で終わらせることなく、それを具体化する手順を決め、怠ることなく実施することだ。しかし、普段は、どうしても形式化してしまいがちだ。社風として安全第一を最優先に考えられる体質にしていくには、どうするのか。弊社でも、具体的な方法を再度見直してみる必要がある。
ただ、「最近、中高年を中心に、秘境のツアーが人気があるが危険性が高い」と、まるで秘境そのものが危ないと言わんばかりの短絡的な評価には違和感を感じる。まして、ツイッターをそのままニュースのテレビ画面に出すやり方は、大いに疑問だ。人は、被害者にもなるが、加害者にもなる。常に「自分はどうか」という自戒の態度あれば、そんなに簡単に批難できないように思う。
テレビ局は、ツイッターを視聴者の声として流しているのだろうが、ツイッターは、実名でないが故に時として無責任になり易い。マスコミとは、事実を伝えることと同時に、その事象に対して、きちんとした評価をすべきだ。これは、マスコミの自殺行為のように思う。
話を戻すが、確かに、今回の遭難事故は、いろいろな意味で批難されるのも仕方がないとは思う。様々な背景も分析してしっかり総括すべきだ。しかし、あえて誤解を恐れずに申し上げれば、旅は、あくまで最終的には自己責任で成り立っている。私達旅行会社は、100%の安全を保障することは到底できない。できることは、最大限の安全確保、危険回避への具体的な対策を実行し、常に努力をすることである。