風のチベットツアーでは、原則としてこちらから積極的にお客さんをお土産物屋にお連れすることはない。 他社と比べて、風の「風変わりなところ」のひとつだが、ラサに来られる皆さんは、ショッピングも楽しみのひとつのはず。
インスタント・バター茶やヤク肉ジャーキーから、高価なものはタンカ(仏画)まで、大昭寺の巡礼円環路バルコル周辺には種々雑多な土産物屋が並んでいる。 が、チベット慣れしたお客さんの目には(チベット初心者のお客さんにも)ワンパターンに映るかも。 そこで今日は、ゴールデンウィークのツアーに来られたお客さんに大変タイヘン評判のよかった、お土産物屋をひとつ紹介したいと思います。
(この看板が目印)
その名はDropenling(ドーぺーリン)。 僕は初めてこの名を耳にしたとき、てっきりDropa(=遊牧民)、ling(=地域、公園)ということで、「遊牧民の広場」という意味かと勝手に思っていた。 なんやコミカルな、ほのぼのした名前やなー、と思っていたのだが、よくよくチベット語のスペルを見てみると、全く違っていた。 Dro=人類、Pen=益する、ling=地域、ということで、「人類に益する場」というなんとも高尚な名前だった。 それもそのはず。 このお土産物屋は、Tibet Poverty Alleviation Fund (「チベット貧困助成基金」とでも訳せるであろう) というチベットで活躍する、アメリカのNGOの準組織でした。 失礼つかまつりました ^^ ;
(絨毯コレクション。 僕も左奥に掲げてあるものを買った。 1,300元。 絨毯などの巨大なお土産物は郵送サービスもあり。)
さて、お土産物の種類ですが、かなり洗練されたものが多い。 趣向は欧米人(日本人を含む)に十分配慮されたものになっており、チベットの産物によくありがちな「けばけばしい」色はどこかに消えうせ、色調の落ち着いたものとなっている。 また、デザインもチベット風なものをメタモルフォーゼさせたものが多く、日本人のわび・さびの感性にもしっくりくるものがほとんど。 材質は羊やヤクの毛など、現地の素材を使っており、ほとんどの商品は手作り。 Tibet Poverty Alleviation Fundが、現地の伝統手工業育成をその哲学の一部に掲げていることだけあって、その辺はかなり徹底しているようだ。
(小型ヤク人形。 女の子には受けるかも。)
(カバンや小物、タペストリーなど。 店の女の子が持っているのは、巨大ヤク人形。)
話をマネージャーの方に伺うと、現在Dropenlingの商品製作・開発に関わる「現地アーティスト」は400人強。 そのうち60%は田舎に住んでる農牧民。 都市のマーケットに社会的にアクセスするのが、なかなか難しい人たちをサポート、を信条にしているようだ。
気になる価格は、現地価格の感覚からすると「やや高め」といったところか。 ただクオリティの高いものが多く、欧米人スタッフのセンスを生かしているためか、他のラサの大多数のお土産物屋には到底真似できない「いい物」が置いてあります。 すべて値段は定価。 バーゲン大好きなお客さんには、ちょっと楽しみが減るのかもしれへんね(笑)。
P.S.1 場所を書くのをてっきり忘れた。 場所はジョカン寺から東、清真寺(イスラムモスク)から北に伸びる道を歩いて数分。 「ラサ初心者」の方には分かりにくい場所にあると思うので、みなさんは現地ガイドか僕に聞いてくださいね。
P.S.2 風の旅行社はDropenlingからキックバックなどは、一切頂いておりません。 この点は、ジョカンのほとけ様に誓います。
(僕の部屋にて。 奥に飾っているのは、Dropenlingで購入したゴ・ユル(ドアカーテン)。 手前は、毎週末僕のところにホームステイに来るシミ・カルボ(しらねこ)。 日本のキャットフードをこの上なく愛する。 出産間近!)
Daisuke Murakami
5月25日
天気 曇り時々晴れ
気温 14〜28度 (最近急激に暑くなってきました)
服装 シャツ+長ズボンが一般的。 紫外線がかなり強いので、日焼け対策は必須。 熱射病対策に、帽子もかぶられるとよいでしょう。 異常乾燥注意報も発令しておきます。