今日はお知らせです!
3月頭に風のカルチャークラブで、「チベットを知る」ための講座があります。
その名は、「チベットを知る ー中・上級編ー ~チベットの民間信仰と巡礼文化~」。
題名どおり、チベットの民間(民俗)信仰と巡礼文化についてお話します。
チベットの民間信仰とは仏教?
と素朴に考えてしまいますが、実はチベットには「仏教」だとは形容し難い信仰が昔から存在しています。
チベットのことをよく知っている人は、それは「ボン教」である、とお答えになるでしょう。
おそらくは多くのチベット人もそのように答えるかもしれません。
でも実は、「仏教」や「ボン教」などの所謂宗教というカテゴリーにはなかなか収まりきれない、
伝統的な信仰がチベットにはあるのです。それらは文字によって表されることなく、
脈々とチベットの文化に流れ、仏教とも深く融合しながら存続している、
日本で言うところの「原=神道」のようなもの、といってもいいかもしれません。
そのような捉えどころない思想なので、とてもとても僕の手におえるものではないのですが、
今までチベットに住んでいていろんなところに旅行・巡礼をして、いろいろ気づかされることはたくさんありました。
講座では写真をお見せしながら、その世界について少しお話できればと思います。
もうひとつの講座のテーマは、巡礼です。
これはあくまで仏教の巡礼についてです。
チベットの巡礼や聖地については、欧米などに比べて、
実は日本ではまだ本格的に紹介されているとは言い難いと思います。
それはひとつには、チベット仏教の深遠な教えに対しては多大な関心が向けられる一方、
大衆の仏教実践の代表的なものである巡礼は、
教えの本筋から離れた二次的なものとして捉えられてきたせいのような気がします。
しかしながら、巡礼はチベットの精神文化の大きな要素のひとつなのです。
今回は時間も限られているので、氷山の一角しかお話できませんが、カイラス巡礼などを例にひきながら、
チベットの巡礼の世界やその魅力について今まで気づかされたり考えたりしたことを、
みなさんと共有できたらと考えています。
最後に!
この講座のタイトルをつけるときに、大きな間違いを犯してしまいました。
それは、講座を「中・上級編」としてしまったことです。
これは、近い将来開かれるであろう、「チベット社会・文化の入門的な講座」の開催を見込んで、名づけたものでした。
ただそれだけです。
したがって、「中・上級編」なので、難しい内容に違いない、チベットに行ったことがないので話についていけないと、
どうか思わないで下さい。また逆に、過度な期待は禁物です(笑)。
チベット文化のファンダメンタルな部分にも少し触れる話なので、
本講座はある意味「入門編」であると同時に「上級編」でもあるのです。
畢竟、文化の講座などは、どこから入ったっていいのです。
右からでも左からでも、下からでも上からでも。
(そして何度でも同じ場所から入ったっていいのです。)
ただ本講座、チベット語などの横文字が多くなるかもしれないので(もちろん、その都度説明しますが)、
ココロしてきてください(笑)。
みなさんのご参加をお待ちしています。
Daisuke Murakami
1月26日
(ラサの)天気 曇り(雪が舞うかも)
(ラサの)気温 -9~7度 【だいぶ温かくなってきました】
(ラサでの)服装 昼間はセーター、ダウン、厚手のコートなど。 夜はダウン、厚手のコートなど。
昼間でも曇れば非常に寒いので要注意です。晴れの日は日差しがとてもきつくなるので、
日焼け対策は必須。空気は非常に乾燥しています。雨具は念のため持ってきたほうがいいでしょう。