ザヤーからサインバイノー! 「モンゴル犬のおはなし」


モンゴルでは、「大切な人のために、馬や犬たちのように尽くす」と言う言葉があります。
なぜなら、馬と犬は本当に飼い主に忠実な動物だからです。

モンゴル人とモンゴル犬は、何千万年も前から友達だったといわれています。今のモンゴル犬の血統は、チベット犬という人がいますが、チベット犬の始まりはモンゴル犬という人たちもいます。

大昔、食糧がとても貴重だった時に、狩猟をする人たちにとっては、犬は大事な助手だったので、狩人たちはとても可愛がっていたみたいです。その時代から、犬は洞穴とか家で留守番をしながら、人の命や家畜などの宝物を守ってくれていました。




今も大草原の中で一人暮らししている遊牧民は、夜中真っ暗の草原に出るときに犬がいてくれると安心します。モンゴル犬は他の犬より体が大きいので、チンギスハーン時代の戦争にも、犬を連れて行ってたという記録があります。

そして、モンゴル人が戦争をしたところにモンゴル犬が広がって、今では、他の犬と血が混ざったモンゴル犬が、ロシアのシベリヤ、トバ共和国、イルクーツク、ブリヤードのチタ県、カザフスタン、内モンゴル、チベットにもいます。

昔からモンゴル人は、犬を家族の人数に入れて数えていました。たとえば、結婚したお嫁さんは、嫁いだ最初の日は朝早くおきて、犬に餌をあげてから家族の食事を作る習慣が今でもあると本に書かれていて、モンゴル人は犬をすごく尊敬しているということが分かります。

今はモンゴルでも、モンゴル犬が少なくなっていますが、モンゴル犬だけでなく、世界中の人たちが自分の飼っている犬を愛してほしいですね。


モンゴル人は、犬は予感することができる動物だと考えてます。その理由は、下記の話を読むとわかります。


犬に助けられた家族の話
モンゴルでは1957~59年に西のほうの5県で大きい地震がありました。そのとき、ある遊牧民は年取ったモンゴル犬を飼ってました。その犬が年をとって、いつも食べてばかりいて、家畜を追いかけることもできなくなったので、飼い主はいつも、その犬のことを悪い犬だといってました。

ある日、その犬が、急にゲルの中に走っていって、ベットの上に寝ていた子供を噛んで、そのまま走っていってしまいました。子供をつれていったので、家族皆で犬を追いかけました。犬は走って遠くの山の頂に上りました。家族の人たちも登ってきて、家のほうをみたら地震で地面が割れて、ゲルは土の下に沈んでいくのが見えました。


その利口な犬のおかげで、家族みんなが助けられました。そのときから、家族みんなが、その犬が死ぬまで敬ったという話が残っています。