文●竹嶋 友(東京本社)
突然ですが、草原で昼寝のお話。
草原の上に立ち、抜けるような青空を見上げると、モンゴリアンブルーと称される美しい青色や、吹かしたパイプの煙のように浮かぶ白い雲に見とれてしまう。この空をもっと眺める為にそのまま後ろに大の字で倒れ込んでみる。やっぱり、空をゆっくり眺めるにはこの体勢が一番良いなぁ。
顔に太陽の温かさをチリチリと感じながら、のんびりと空中を移動する雲を見ていると、タイミング良く来た風が、草の香りと共に、心地好く顔を冷やしてくれる。
聞こえて来る音は、思い出したように鳴いている家畜の声と、風の音だけだ。
我が身体によって日光浴を遮られた草原の住人の虫たちが、時々抗議をするかのように、顔にやって来てくすぐったいが、あまり気にしない。確かに、邪魔しているのは俺の方、すまんすまん。
添乗や出張で何度もモンゴルを訪れるが、あまりこういう時間はない。しかし、先日の学生たちとのボランティアツアーでは、こんな時間があった。理由はそう、学生たちも同じように寝ていたから(笑)。草原の上に毛布を広げ、皆気持ち良さそうだ。
あちこち忙しく動き回るだけではなくて、たまにこういう時間が少しでも持てると、静かで電子音のない静かな空間が、普段考えないような思考を巡らす時間を与えてくれる。
この状態で30分くらいウトウトできれば、しかも片手にはビールがあれば、もう何も言う事はないのだ。