村役場のすぐそばに学校があります
サエンバエノー!
ウランバートル支店から、竹嶋です。
前回少しお話した、ウランバートルから西へ400km、そらのいえに行く途中のホトント村の学校についてお話します。
数年前ウランバートルの学校は訪れた事がありましたが、今回以前から気になっていたモンゴルの地方の学校を訪れたいという気持ちを持っていました。
現在、モンゴルの学校の義務教育制度は日本と同じ小学校6年、中学校3年と、さらに高校3年間も義務教育になっています。義務教育なので授業料は国が負担し、家庭で負担するのは教科書代(兄弟で兼用する場合が多いです)や、給食代です。給食は基本的に小学校のみで中・高生はお弁当かゴアンズ(村の食堂)で食事をしています。日本と違って、小・中・高が同じ校舎を午前:中・高生、午後:小学生が使用し学習しています。ホトント村の学校は小・中・高を包括する地方としては比較的大きな学校です。
さらに、学校への通学は学校の近所の子供だったら徒歩やバスで通えますが、草原の遊牧民家庭や家の近所に学校がない子供は親元を離れ、通う学校に隣接する寄宿舎で生活するのが一般的です。その場合は寄宿舎代(食事代込み)が余計にかかります。現金収入の少ない遊牧民にとっては馬鹿にならない負担です。
この寄宿舎はもともとお店だったものを
改築したそうです
年上のお姉さんが下の子の勉強を見てあげています
さて、ホトント村学校の話に戻りますが、白塗りの壁に2階建ての校舎はその村では一際存在感がありました。学校到着後、まず校長先生のバトジャルガルさんとお会いし、校長室にて学校について色んな話を伺っていきます。33歳というお若い年齢にまず驚きました。
創立は何年? | 1982年です。 |
先生は何人? | 全部で39名です。 |
生徒は何人? | 約800人。寄宿舎で生活している子供はその内150人。 |
学校として一番大変なことは? | とにかく、学習道具が少ない。小学生向けの絵本や、中・高生向けの参考書、パソコン、印刷機、寄宿舎のベッド、毛布など充分にない。また、学校校舎や寄宿舎の建物自体も古くなり、暖房設備(冬はすきま風が入りとても寒い)の故障など、子供たちにとっては学習環境が良くない状況が続いている。 |
その原因は? | やはりウランバートルなどの都市部とは違い、村の予算が少ないこと。それと距離的にウランバートルから離れているため、物が充分に運ばれてこない。 |
その他色んな話をした後、校舎と寄宿舎を案内していただきました。
教室、図書室、職員室、体育館、食堂、トイレ、洗面所、寄宿舎を見て回ります。
印象に残ったのは、図書室の本の少なさ、体育館の床が所々抜け落ちていること、それと子ども達が生活する寄宿舎の狭さ。6畳ほどの大きさの部屋が11部屋あり、一つの部屋に生徒11人が3段ベッド2つで寝ています。必然的に1つのベッドで2人の計算になりますね。寄宿舎の冬のすきま風は特に応えるらしく、毛布の少なさが気になりました。
図書室の本は全部で約400冊位
古くなった床はあちこち抜けています
寄宿舎のそばにゲルが一つ。洗濯場と・・・
あと、洗面所も兼ねています
地方の学校の現状を見て、私の中で色々と考える事がありましたが、当然私の力だけではどうにもなりません。
「地球の歩き方」との共同企画で、こんなツアーを作りました。モンゴルとボランティア活動に興味がある方はぜひ見てみてください。
それでは、現地から、竹嶋でした。