ツアー名:関西の秘境 芦生原生林 夏鳥のさえずりと山の幸を楽しむ
2019年6月22日(土)~6月23日(日)
文●ツアーガイド:久下 直哉(くげ・なおや)
芦生原生林バードウォッチング 1日目
JR園部駅に集合して、車で芦生山の家に向けて出発します。途中、道の駅と茅葺の屋根集落に立ち寄って山の家に到着です。昼食を済ませて、由良川本流沿いに続くトロッコ道コースで観察します。
早速2羽のアオバトが頭上を飛んでいき、その先で止まって鳴いているのが聞こえてきます。さらに歩くと、近くの川に突き出た枝先でオオルリがさえずっています。
折り返し地点の手前ではキビタキの雛の巣立ちと成鳥の姿を観察できました。雛の巣立ちにはなかなか出会うことはないのでとてもラッキーです。山の家へ戻る途中では、数回カワガラスの雛の巣立ちを観察することもできました。
山の家の手前で、夜の鳥の声を聴くポイントへ下見をします。そこでもオオルリのさえずりが響き渡っています。
夜になり、参加希望を募って夜の鳥の声を聞きに出かけます。出かける直前に山の家の前でヨタカが非常に大きい声で「キョキョキョキョ」とさえずっています。歩き始めてしばらくすると雨が降り始め強くなってきたので、明日に備えて戻ることにします。
芦生原生林バードウォッチング 2日目
参加希望の方のみで早朝4時に集合して出発です。まだ暗い中ヨタカが引き続きさえずり、そして遠くで、一瞬、コノハズクのさえずりも聞こえます。内杉谷に入ったころには足元が見えるくらいの明るさになってきました。空は薄曇りで、上空をヨタカがさえずりながら飛んで行く姿が見えます。林道にて所々で立ち止まり、朝の野鳥のさえずりを聞き分けながら、山の家に戻って朝食です。
再出発直前に遠くの谷からアカショウビンのさえずりをほのかに聞くことができました。
この日は車で約1時間かけて杉尾峠へ向かいます。ここからは現地案内人の堀尾さんにガイドして頂きます。林道から峠までの少しの急登をゆっくり歩いて、峠から福井県と京都府の境目に到着です。周囲を見渡しましたが残念ながら雲に覆われてしまいました。その後、野鳥のさえずりに耳を傾けながら、上谷の沢を下っていきます。クロツグミやジュウイチ、キビタキ、オオルリがさえずっています。原生林の中なので、姿を見つけるよりも声を聞いて楽しみます。
沢沿いではミソサザイの親子を観察して、上空ではサンショウクイやジュウイチがさえずっています。ヤマドリも足元から飛び出してきます。原生林の中は台風の影響でミズナラやブナなどの倒木がありますが、特に危険箇所はありません。最後の杉林ではキバシリがさえずっている中で、キクイタダキのさえずりと少しだけ姿も確認する事ができました。杉林を抜けたところで長治谷作業所に出てきて昼食です。その後、車で山の家に戻る途中でカツラの巨木も観察します。JR園部駅に到着して解散です。
今回のツアーはいつものように目で見るだけではなく、原生林を歩き、耳でも野鳥の声を聞いて楽しむ内容でした。ご参加いただいたみなさんにもこの趣旨が伝わっていたようでとても嬉しく思います。誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
【今回確認できた鳥達】
ヤマドリ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、ヨタカ、トビ、コノハズク、アカショウビン、カワセミ、ヤマセミ、コゲラ、オオアカゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、キバシリ、ミソサザイ、カワガラス、トラツグミ、クロツグミ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、スズメ、キセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、イカル、ホオジロ、ソウシチョウ、キクイタダキ