ツアー期間●2010年12月29日〜2011年1月3日
文●荻原 文彦(東京本社)
朝焼け夕焼けに染まるヒマラヤの展望地に囲まれた世界遺産カトマンズ盆地。 クラクション鳴響くエネルギッシュな市街地を中心に、まるでタイムスリップしたような、赤レンガと木彫が美しい古い街並みと、のどかな農村地帯が広がっています。そんな変化に富んだカトマンズ盆地を、自転車(マウンテンバイク=MTB)の機動力を活かして、10名のツアーメンバーと共に3泊4日で旅してきました!
《タメル( 走行6.3km)⇒ボダナート( 走行11km)⇒サクー(12km)⇒ナガルコット》
ネパールのビジネスタイムは午前10時から。9時を過ぎるとバイクと車の大渋滞に巻き込まれるため、まだ町が目覚める前の朝もやの中を出発。最初に目指すのは、世界最大級の仏塔をもつチベット仏教の聖地・ボダナートです。途中、ヒンドゥ教の聖地・パシュパティナートの脇を、溢れる修験者(サドゥ)にぶつからないよう注意しながら進みました。
ボダナートは古くからの巡礼地で、ヒマラヤ越えの巡礼者や商人が旅の安全祈願を行う場所でもあります。私達もこれからの自転車ツアーの成功を祈ってコルラ(お参りで一周)してきました。
その後は、カトマンズの喧騒を離れ農村風景の中を走りました。かつて交易路の宿場町として栄えたサクーを経て、サリナディ川のナラヤン神を祀る寺院へ。そこから車に乗り換え、カトマンズ盆地随一のヒマラヤ展望地・ナガルコットへ。途中、カッティケ村の丘でお弁当の昼食をとりました。この日の天気は最高で、ガネッシュ、ランタンリルン、ドルジェラクパ、ガウリシャンカールなどヒマラヤの峰々を見渡すことができました。
町が目覚める前に出発
サクーへ続く、のどかな旧道
ナガルコットのホテルより。左からガンチェンポ、ドルジェラクパ、プルビチャチュ
楽しいキヨスクでの買い食い
《ナガルコット( 走行9km)⇒ドゥラルガオン( 走行7km)⇒バネパ( 走行5km)⇒ドゥリケル》
ホテル『フォート』の屋上から素晴らしいサンライズを楽しんでから出発。ナガルコットタワーまでゆっくり上った後、いよいよ未舗装路のダウンヒルへ。古都バクタプルとバネパを結ぶ車道との合流地点・ビャングドゥまで約650mを下ります。ホテルの立ち並ぶリゾート地とは打って変わり、段々畑の広がる山村風景となり、すれ違う人々も町より好反応で、「ナマステ〜!」と駆け寄る子供達も多いのが印象的でした。途中、今回のルートで最もテクニカルな凹凸のある石畳の道もあり、舗装路の車道に出た時には天国かと思いました。昼過ぎに、ひっそりと中世の趣そのままの町・バネパに到着。少し散策した後、アルニコ・ハイウェイを走り峠の町・ドゥリケルへ。この道は、ラサとカトマンズを結ぶことから中尼公路と呼ばれ、大きな貨物トラックが頻繁に走ります。かなりお腹が減っていたこともあり、黙々とドゥリケルを目指しました。
遅い昼食をホテル『ヒマラヤンホライゾン』で食べた後、ガネーシャ神やビシュヌ神を祀る寺院の集まるドゥリケル中心部を散策しました。日が落ちて、寺院がライトアップされ、赤レンガの家々にもオレンジ色の電気が灯り、雰囲気抜群でした。
夜はカウントダウンパーティーをするため、ホテルも中庭でキャンプファイヤーの準備をしてくれていたのですが、20時頃にまさかの雨! 結局明け方までしとしとと降り続くのでした。
カトマンズ盆地を囲む山々
すぐに子供達が集まります
バネパの街並みを走る
交通量の多い中尼公路からドゥリケルを目指す
《ドゥリケル( 走行12km)⇒パナウティ( 走行16.5km)⇒ラクリバンジャン》
雨はやんだものの、初日の出も拝めずイマイチな元旦でしたが、お餅を食べて、「今日は砂埃がたたなくていいね!」と、前向きに新春ライドに出発! 未舗装路メインの約30km、後半上りもある行程ですが、カウントダウン中止でぐっすり眠った私達は、体力も気力も十分にみなぎっていました。
あぜ道をつなぐ超ローカルな道を走り、クリシュナ神やシヴァ神を祀る寺院が立ち並ぶパナウティへ。ここパナウティは、この旅で訪れた古都の中で、タイムスリップ度ナンバーワン。歴史を感じさせる静かな街並み(特にシヴァ寺院は素晴らしい!)ですが、12年に一度のマゲ・サンクランティ祭には、何十万人もの巡礼者が訪れるそうです。
その後、時々バイクが通り過ぎる程度の川沿いの未舗装路へ。ちょうど谷の影で寒い道のりでしたが、対岸の山村風景は菜の花もきれいで、青い窓枠や家畜小屋が印象的なタマン族の家屋など、午前中とは異なる景観に出会えました。
最後、1時間強の上り道に苦戦しながら、ラクリバンジャンのテントキャンプへ。あいにく盆地には霧が出ていて展望は優れませんでしたが、一瞬晴れた時にはカトマンズ市街地や空港、バクタプルの街並みなどがドッカーンと広がりました。ここラクリバンジャンのテントキャンプは、水シャワーでトイレの水周りなどにも問題のあるところでしたが、その立地とローカル色満点で貸切だったこともありとても印象に残りました。この夜、大晦日盛り上がり損ねた私達は、ニューイヤーパーティーで大いにはしゃぎました。
パナウティ
クリシュナ寺院のガートは火葬場
のどか〜
菜の花畑もありました
念願のキャンプファイヤー
ラクリバンジャン( 走行16km)⇒パタン( 6.5km)⇒タメル》
年末あたりのカトマンズの風物詩? 朝もやのたちこめる中、最終ライド開始。「今夜ネパールを発つなんて……、短すぎ」と内心思いつつ約600mのダウンヒルへ。未舗装路ビギナーだったメンバーもだいぶ慣れ、スタンディングフォームも決まっていました。
その後、舗装路に入り市街地を囲む幹線路リングロードを越えて、美の都・パタンへ。静かなラクリバンジャンとは打って変わり、ビジネスタイムを過ぎた市街地は喧騒に包まれています。ダルバール広場に自転車を止めて、広場とゴールデンテンプルなどを見学。さすが美の都、街全体が博物館のようです。旧王宮博物館でお茶した後、いよいよゴールのパタンゲートを目指します。
さあゲートをくぐり元気いっぱい「ゴ〜ル!!」、感動のシーンのはずですが……。サブガイドを先頭にどんどん先へ走っていきます。私達の車が、ゲートに横付けできず、300m位外れたわき道に待機しているとのことで、ゲートを素通り状態(残念!)。結局、車に自転車を置いてから、歩いてゲートに戻り記念写真を撮りました。それでも、がっちり固い握手をして自転車の旅は終了しました。
ラクリバンジャン
朝もやを行く
ダウンヒル〜
美の都・パタンにて
ゴール!
日本発着6日間と短い日程ですが、「ネパールでナンバーワンの日本語MTBガイドになりたい!」というカトマンズ支店のホムが気合を入れ、カトマンズ盆地の魅力を存分に詰め込んだルートであり、それは自転車無くしては完成しえないツアーでした。そしてメンバー同士、助け合い励まし合い、MTB経験者がアドバイスしたりしながら一体感の強いツアーでした。
自転車には良いところがたくさんあります。旅を面白くする魔法のツールです。本当におすすめです! 是非、次の旅の選択肢に加えてみてください。
関連ツアー
世界遺産カトマンズ盆地を走る!
終了ツアー 12/29(日)発 自転車で楽しむネパール7日間
出発日 | 旅行代金 | 出発場所 | 催行状況 他 |
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2019/12/29(日) | ¥358,000 | 東京・大阪・名古屋 |