チベットのお正月「ロサール」と「グトー」

今回はチベットのお正月「ロサール」の行事「グトー(晦日)」をご紹介します。

※地方や家庭によって多少の違いがありますので、あくまで一例です。

藁束に火をつけて家中の邪気をはらいます藁束に火をつけて家中の邪気をはらいます

チベットのお正月「ロサール(ロサともいう)」は、陰暦で計算するため毎年時期がずれますが、2019年は2月5日でした。チベットのお正月準備は旧暦の12月の半ばくらいから始まりますが、グトーはいよいよ年の瀬が押し迫った12月29日(晦日)のことです。グトーには主に家族で2つのことをします。

1つは「厄払い」です。まず「ツァンパ」と呼ばれるハダカムギの粉(チベット人の主食)をこねて作った団子を、頭や身体に擦り付けて悪いものをツァンパに移します。特に身体の悪いところは念入りに行います。それをお茶っぱ、紙幣、唐辛子、藁などのお供え物が一緒に入った箱に入れます。藁は軽く結んで人型になっており、この人形に厄を移すようです。

藁人形、唐辛子、紙幣などが入った箱藁人形、唐辛子、紙幣などが入った箱

そして男が松明を、女が箱を持ち、松明に火をつけたら、家の庭を走り回り家中の厄を払います。最後に家の門の前に松明を積み上げ、そこに箱を投げ込み炊き上げます。戻るときは後ろを振り返らずに戻ります。振り返ると厄が戻ってきてしまうそうです。

最後は厄を炎に投入して「お炊き上げ」します最後は厄を炎に投入して「お炊き上げ」します

2つ目は「占い」です。夕方に家族で小麦粉の団子入りのお粥(グトゥク)を食べ、翌年の運勢を占います。

これがグトゥク。真ん中の大き目の団子に「くじ」が入っています。これがグトゥク。真ん中の大き目の団子に「くじ」が入っています。

団子の中には炭、唐辛子、塩、羊毛、紙などが入っています。炭は意地悪、唐辛子は毒舌、塩は怠け者、羊毛は優しい、忍耐強いなどの意味があります。こうして「来年は毒舌に注意」とか「しっかり働きなさい」などと家族で大笑いして過ごすんだそうです。

(私が食べたものは、実物は入れずに「炭」「塩」などとかかれた紙が入ってました)

グトゥクの中に入っていた紙グトゥクの中に入っていた紙

こうして、旧年の悪いものを追い払い、家族団らんをして新しい年に備えます。

弊社の年末のチベットツアーでは、毎年このグトーの行事を再現して楽しんでいただいています。次の年末年始ではどんな占いの結果がでるのでしょうね。ご帰国後に聞いてみたいと思います。


年末年始はロサール体験!

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