ツアー名:紅葉と秋の鳥たち 秋の戸隠高原 2日間
2019年10月20日(日)~10月21日(月)
文●ツアーガイド:峯尾 雄太 (みねお・ゆうた)
今年は台風の連続で各地が大変なことになりました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
長野県でも大きな災害が出た地域があり、新幹線は便を減らしてようやく復活したばかりです。戸隠方面はかろうじて無事のようですが、予報では天気があまり良くないようです。ただ、雨さえ降らずにフィールドへ行けば、渡りの流れを感じることができるはず。期待を抱いて戸隠へ向かいます。
秋の戸隠バードウォッチング 1日目
今年も植物園のベンチで「いろは堂」のお焼きを食べ、各自準備をして出発です。今年は秋の進みが遅れていてまだ紅葉がきれいです。
例年ムギマキが来る頃の戸隠植物園は、紅葉も終わりでバードウォッチングする人以外は閑散としているようなイメージですが、今年は奥社までの参道やお蕎麦屋さんはかなり賑わっていました。 例年遅くなっていくのかもしれませんね。
春のようにどこもかしこも鳥のさえずりが聞こえる感じではありませんが、カラ類の混群に当たったり、食べる実があるところに行くと集中して鳥が出現します。この時期ならではの秋の戸隠です。
美しい黄葉も楽しみながらムギマキを探します。ムギマキの好物のツルマサキに注意しながら歩いて行くと、植物園に入って数本目の木にフライングキャッチをするムギマキの姿がありました。ラッキーなことに他にはギャラリーがいません。若い個体でしたが幸先のよいスタートとなりました。
前回まで利用していた木道が腐って立ち入り禁止になっているので、今回は奥社への参道を歩きます。キバシリやゴジュウカラが交じるカラの群れにも出会いました。キバシリは軽快に幹を登り、ゴジュウカラは針葉樹の実を運んでは木の皮の隙間に貯食しています。
キハダの木にシロハラ、マミチャジナイの姿を発見。彼等も一生懸命実を食べています。まさにこの時期ならではの一期一会です。今年はキハダの実成がよさそうですね。
初日は曇りで鳥の出現は渋めではありましたが、本番は明日の朝ということでこの日は終了して宿入り。今回もお世話になるのは毎年恒例となっているタンネさんです。
今年も美味しく豪華な食事を楽しみ、食後は談笑したりラグビーワールドカップの日本戦を楽しまれた方もいたようです。明日に備えて早めの終了となりました。
秋の戸隠バードウォッチング 2日目
翌日は6時に玄関に集合し、朝食前の早朝散策です。気温は予想より温かく3℃くらい。戸隠山は残念ながら雲の中ですが、頭上をアトリやマヒワ、イカルの群れが続々と移動していきます。
ツグミと他ツグミ類の声もして、とても鳥影は濃いのですが、立ち込める霧が低くて暗く、鳥も見やすいところに止まりません。なんとなく消化不良ですが仕方ありません。お腹が鳴ったし朝食を食べに戻り疲労をリセット、8時45分に再出発です。
ホオジロやミソサザイの姿を見ながら散策します。渡ってしまったのか、30人を超えるギャラリーの多さに辟易したのか分かりませんが、この日はムギマキには会えず。野鳥との出会いは一期一会だなとつくづく感じます。
カラの群れやキバシリの動き、ゴジュウカラの貯食、ヒガラやヤマガラを観察します。またキハダの実に群れるツグミ類たちも見られました。
お弁当もありましたがこれは行動食として、お昼には蕎麦を食べて2日目も終了となりました。今年も冬鳥を観察して、渡りを感じる秋の戸隠を楽しむことがました。
【今回確認できた鳥達】
キジバト、アオバト、トビ、ツミ、ハイタカ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、モズ、カケス、ハシブトガラス、キクイタダキ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ヒレンジャク、ゴジュウカラ、キバシリ、ミソサザイ、マミチャジナイ、シロハラ、ツグミ、ルリビタキ、ムギマキ、キセキレイ、ビンズイ、アトリ、マヒワ、ウソ、シメ、イカル、カシラダカ、アオジ
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