GWが近づき、東京近郊の近場の行楽地や、サーファーに人気がある千葉・神奈川の海岸近辺の街からは、来ないでくれの大合唱がおきています。安倍首相は、オンライン帰省にして都会から田舎への移動を自粛してほしいと呼びかけています。人の移動が制限されている以上、私たち旅行会社は仕事ができません。もちろん、今は仕方のないことですが、いつまで続くのか不安は募ります。
米国で、“職場に戻せ!経済活動を再開!”を叫ぶデモが起きています。ネバダ州に属するラスベガスのグッドマン市長は、同州の全州封鎖を「正気の沙汰ではない」と批判し、「私は、100%の市民が無症状の保菌者だと想定しています」。とまで言い切っています。もうみんな感染しているから経済活動をしても問題ないというのです。どうしてこんな珍妙な見解が出てくるのか解りませんが、このような状況下では、理論の正しさではなく情の上部だけを捉えて、あらぬ方向に扇動する人間が出てきます。大変、怖いことだと思います。
コロナで世界経済が落ち込んだことで、4月20日、ニューヨークの原油先物市場でマイナス37.63ドルという驚くべき価格がつきました。米国の原油生産高は現在世界一ですが、その生産量の多くを支えているのがシェールオイルを生産する中小の企業です。もし、原油がこのままの低価格で推移すると、融資している銀行が傷つきリーマンショックの再来になるとまで言われています。トランプ大統領が封鎖解除を急ぐ理由の一つになっているといわれています。
世界が、人命優先か経済優先かで2分してきています。日本の今までの政策は、人命優先だったと思います。しかし、次第に経済優先に傾きつつあるようにも見えます。さて、どちらを選ぶのか、大きな岐路が目の前に来ているかと思うと私も緊張します。