【風スタッフ近況 シーズン2】やってみた 給付金申請を娘とチャレンジ

「大学通り」の陸橋からJR国立駅方面を 望む

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コロナ禍に加え、長引く梅雨に各地での豪雨による被害が心配な毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

7月は月初に都知事選挙に関わる市役所の仕事のほか単発の仕事を継ぎながら、それ以外の時間は基本ステイホームをしていました。この間、担当しているクルーズ船の運航再開が10月からさらに12月に延期との発表に、晴れた日のアスファルトにできる逃げ水のように、近づけばまたその先のほうに目指すクルーズ船の姿が遠のいていく、そんな状況が続いています。まだまだコロナ禍という長いトンネルの出口の光が見えない日々ですが、そんな中でも最近少しうれしいことがありました。

都知事選の日曜日、一緒に選挙に出かけた娘がふいに「私も一応音楽家なんやけど今度の持続化給付金って私はムリだよね」と言い出したので何のことかと話を聞いてみました。娘は小さい頃から叔母の影響でヴァイオリンを習い始めて、中学を卒業してから音高、音大へと進学し、卒業後は大学のクラスメートや音楽仲間とカルテットを組み活動しています。とはいえ音楽だけで食べていける音楽家なんて世の中にほんの一握りです。そこで娘は会社勤めをしながら自ら年に数回メンバーに呼びかけて小さなコンサートを企画・主催し、会場では自主制作したCDも買ってもらったりして、社会人と音楽家の二足のわらじを履きつつ生活する道を選びました。ところが今年になって昨年から企画していたコンサートやライブも会場が使えなくなったりで全部キャンセルになり、それなりにあった音楽からの収入が絶たれてしまい、それでニュースで耳にする給付金のことを思いついたのでした。
「去年あった収入がこのコロナ禍でなくなったんやろ?それやったら、お父さんがちょっと調べてみよか」
もちろん、法人として音楽活動をしている訳ではないので、ここでは個人事業主として申請できるかどうかになります。
「えっ、ホンマに?もしそうやったら助かるわ!」
それから一週間ほどかけて、経産省のホームページから申請方法を調べるかたわら、これまで私が尋ねても面倒くさがってろくろく話してくれなかった娘の音楽活動について、今回は自分の生活がかかっているからでしょう、詳しく説明してくれました。

給付金申請が承認されるには昨年の確定申告をちゃんとやっているかという点が肝心であることが分かったので、まず昨年の売上は?経費は?と聞きつつ、その明細書を作って、確定申告書を準備することにしました。次に申告書ができたら本人が税務署に持っていき受領印をもらってこなければなりません。
初めて自分で提出に行くので、前もって署員からどんなことを聞かれるかの想定問答集を作って二人でやり取りの練習もしました。緊張の面持ちで所轄の税務署に出かけて行きましたが、帰ってきて娘にどうやったと聞くと、
「担当してくれはった税務署のお兄さんがすごく親切で一緒に手続きしてくれはって税金を納めて受領印もちゃんともらえたよ。ついでに開業届も出したらってアドバイスしてもらったので手続きしてきた(笑)」
「確定申告って、こうやってやるんやね」
と、親としてはこれまでどうやってたんやと突っ込みたくなりますが、そこはグッとこらえました。

給付金申請にはこの申告書と公演チラシなどの過去の実績を添えてオンライン申請するのですが、娘曰く、お父さんみたいにこういうこと慣れてる人ならよいけど、私も私の周りの音楽家の友達もこれを一人でやるのハードル高すぎるわ、と嘆いておりました。後日、無事に給付金申請受理の通知ハガキも届き何よりの結果に終わり安堵しました。

それにしても娘との共同作業といったら、当時小学生だった娘と「ハムスターの観察日記」という夏休みの自由研究を二人してやって以来のことです。とくに娘が成人してからというもの、お互い妙に構えてしまい、ろくろくちゃんとした会話もできずでした。そんな彼女から見た私は永らく「のんきで頼りないお父さん」でしかなかったのですが、このことが契機となり最近娘が私を真っ直ぐ見てくれるようになった気がするのは、やはり親バカ(笑)というものでしょうか…。

コロナ禍の大変な毎日ですが、給付金申請というお題を思いがけず与えられ、家族の新しい絆が生まれたことにささやかな幸せを感じるこの頃です。

古巣の幼稚園にて園児の前で演奏

長期にわたり海外旅行再開の見通しがたたないなか、再びお客様に私たちならではの旅を楽しんでいただける日が一日も早く来るよう代表の原も日々心を砕き、攻めの姿勢を忘れず社員全員を率いてくれています。同時に私たちとその家族を守ることを最優先に会社を維持すると言って、そのために様々な給付金や補助金制度をも活用しつつ縁shopというお客様を縁でつなぐ新しい物販事業も立ち上げ日々奔走しています。この数ヶ月間、親の心子知らずでコロナ禍での自分の生活にばかり気を取られていましたが、このたびの出来事を通じて、風の旅行社というもう一つの家族に流れる親の愛にも気づかされ、あらためてそのことに深く感謝しています。そしてその想いは私一人でなく社員全員とその家族みんなの想いでもあるに違いありません。そう思うと、近い将来、担当している「風のクルーズ」が再開したら、これまで以上にお客様により安全で、より楽しいクルーズの旅を案内せねばという熱い気持ちが心の内から沸いてきます。

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