昨年の話になるが、10月に九州へ仕事で行ってきた。
私にとって、コロナ禍で旅行業務がほぼ出来なくなって以来、久し振りに大きな旅行の仕事。
私が、ある高校の理数科クラスが毎年実施している研修旅行の手配担当をしているため、その添乗業務での同行であった。
この高校の研修は、毎年、米国で実施しているのだが、昨年はコロナの影響により米国での実施を諦め、急遽国内研修に切り替えた。
例年の米国での研修は、西部地域の国立公園をフィールドに「地学」・「生物」分野を、シリコンバレーでは最先端技術を中心に「物理」分野をそれぞれ学ぶことが目的だ。もちろん、担当の理数科教員も同行し、現地では幅広い知識を持つネイチャーガイドも研修に合流する。
学校は昨年、米国研修の国内代替地として九州を選んだ。
屋久島を中心に、阿蘇や霧島などの火山活動帯で「地学」・「生物」分野を、種子島の宇宙センターで「物理」分野を学習する内容だ。場所は違えど目的を達成するには最適のフィールド選定である。
実施にあたり、もちろんコロナ感染対策も十分配慮した。事前に学校や現地側と宿泊地、移動手段、食事や生活面での注意点など検討を重ね、手配内容に反映させた。
さぁ、これで来週から本番!というときに、いやなニュースが飛び込んで来た。
熱帯低気圧から台風に発達中。来週上陸の見込み___
嫌な予感は的中し、研修初日から数日間、九州を直撃する模様であった。
それでなくともコロナで行動が制限される中、やっとの思いで漕ぎ着けた九州研修。今度は台風直撃か…。なんともまぁ…。
出発の前日まで日程や内容を組み替えていたが、一部の内容はとうとう確定できず、出発してからも現場判断で手配を変更していく荒技を覚悟し、初日を迎えることになったのだが、結果的には組み換えた日程でほぼ日程をこなすことができ、充実した研修となった。
私自身、過去の九州訪問歴は数回の福岡県のみだった為、今回の添乗は個人的にとても楽しいものであった。特に屋久島は印象に残った。
縄文杉は訪れなかったものの、その多様な垂直分布、屋久島の島としての成因や近くに浮かぶ種子島や口永良部島との違いなど、「地学」・「生物」を学ぶフィールドとして大変適している場所であり、もちろん観光の観点からも魅力的な場所だと分かった。
そして、霧島や阿蘇。
なんといっても火山活動現役の地に立っているという実感と共に、地球の鼓動を感じるようであった。
屋久島にしても霧島や阿蘇にしても、目の前にあるものだけではなく、地面の下や海の下に広がるプレート、さらにその下のマントルなど、長い時間をかけて地下で行われている、”生きている地球”のからくりに頭を巡らすことができるのも、大変面白い。
そして、ついこの前2月13日深夜に発生した、2011年3.11の余震とされる地震。
今我々が生活しているこの平らな道路や地面は、人間が人工的に作ったかさぶたのようなもので、その下には生きている地球があり、時にその強大な力が開放されると、人間は到底太刀打ちできない。改めてそう考えさせるられる出来事だった。
日本はそもそも複雑かつ活発なプレートの上にある島国。
地震予知や建造物の耐震性、日本は被災と復興を繰り返しながら急速に進化してきたと聞くと頼もしい気もするが、やはり限界もある。
気象庁によると1週間程度は震度6程度の地震が起こる可能性があるという。
コロナ禍でさらに地震…。被害に遭われた方の回復を願うと共に、今後も地震や火山活動、台風など自然災害とはうまく付き合いながら防災・減災を心掛けて暮らしていくしかないのであろう、そう感じた。
まずは、できるところから。自宅にある家具や非常用リュックの中身の確認をする休日となった。
コメント一覧
横山浩司2022.12.07 08:14 pm
スタッフの声2022.12.08 09:40 am
スタッフの声2022.12.16 01:40 pm