国内旅行のパンフレットと風の縁shopのカタログVol.4のDMを4月中旬に行いました。国内旅行は、3回目の非常事態宣言下となってしまい予約も今一つ。オリンピックの行方も旅行気分を削ぐ原因になっているのかもしれません。早く、このモヤモヤ感を吹き飛ばしたいものです。
一方、欧州では海外渡航再開の動きが出始め、イタリアも5/15より日本からの渡航を、ワクチン接種を証明できることを条件に隔離なしで入国を認めると発表しました。これで、イタリアに行けると普通は思いますが、実は素直には喜べません。理由は2つあります。
①現段階では、ワクチンを接種したことを証明するワクチンパスポート(名称は様々ですが本稿ではこの名称を使用)を日本は発行できない。
②日本入国時の14日間の自主隔離は、ワクチン接種証明があっても必要
実は、日本は、ワクチンパスポートは、ワクチン接種をしない人への差別になるという理由で否定しています。アメリカの連邦政府も同様ですが、州や市によっては肯定し既に国内の移動に使い始めています。また、EUをはじめとして、アジア諸国でもワクチンパスポートを海外渡航の条件にし始めました。
日本では、早期にビジネストラックを再開させたい財界が動き出し、経団連がワクチンパスポートを導入するよう4月26日に政府に要請しました。(一社)日本旅行業協会もワクチンパスポートを推進するためのワーキングチームを発足させます。日本政府は、ワクチンパスポートは国内では使わないが、海外から要求されるなら対応が必要と、やっと重い腰を上げて検討を始めましたが、既に周回遅れになってしまっています。
日本政府がワクチンパスポートを否定してきた理由には、差別になるというだけでなく、ワクチンを接種しても絶対感染しないとはいえないという主張があります。これはPCR検査を拡大・推進しなかった理由とよく似ています。PCR検査はその時点の結果にすぎず、頻繁に検査すればいいが、それはリソースの無駄だ、という考えです。その結果、日本政府は、社会的検査を夜の町などで一部行いましたが基本的には否定してきました。ここに来て分科会の尾身会長が検査を増やして感染者を見つけ出す必要性を説いていますが、おそらく政府はやらないでしょう。
平時と非常時では、戦略も戦術も違うと思います。今は非常時です。誤解を恐れずに言えば、都市住民と若者のワクチン接種率を上げれば、結果として日本全体の感染も収まり医療崩壊が解消し、高齢者の感染・死亡も減ると私は思うのですが、今は、感染する恐れがすくない田舎の町や村に住んでいる高齢者も優先されています。儒教的な考え方を基盤にした日本社会にはコンセンサスが得られやすい方法なのでしょうが、戦略的には間違っているといえないでしょうか。
すべてはワクチンが足りないことが原因ですが、インドネシアでは、ワクチンはバリ島などの観光地が優先され、打ちたい人が自由に接種会場に行って打つという単純明快なやり方だと聞くと、日本は何と無駄なことにコストをかけるのかと呆れるばかりです。
それでも、秋には高齢者の接種が終わり一般の人たちにも広がって、状況が好転することを祈ります。