メタバース

その高校生の登校は、VRゴーグルをつけることで始まる。不登校になった彼は、最近メタバースの高校に入学した。自分のアバターで仮想空間に設定された仮想の高校に通い、リアルな高校と同じように友達と交流してフツーの高校生活を送る。これは、1月8日に見たメタバースに関するテレビ番組の一部である。

ネットで調べてみると“2022年4⽉WAM⾼等学院に『メタバース校』が誕⽣、通信制高校として初めて、アバターによる通学を可能にしました。バーチャル教室に登校し、授業を受けたり、部活動も楽しめたり、友達をつくることができます。”などと出てくる。今は、不登校への問題解決という側面を持っているようだが、間違いなく一般に広がると私は思う。

WAM⾼等学院のHPでは、メタバースのことを以下のように説明している。

Metaverse(メタバース)とは、Meta(超越する)とUniverse(宇宙)が合体した造語。一般的に、メタバースは「仮想空間」を意味し、これからの社会に不可欠なものになります。
世界トップクラスの企業であるFacebookも、社名をMetaに改称しました。メタバースでは、アバター(分身)を操作して他者と交流することができます。

コロナ禍で、ZOOMなどのオンライン会議やテレワークが急速に進んだが、リアルな世界をテレビ電話会議や、自宅でのオンライン業務に置き替えただけで、コペルニクス的転換でも何でもなかった。しかし、既に、メタバースの事務所にアバターで通勤する会社も出現している。私は、一足飛びにメタバースの世界が浸透するような予感がしてしかたない。

なぜなら、コミュニケーションの難しさや、雑談の中から生まれてくる創造性が欠如するといったテレワーク上の課題が解消され、会社への帰属性や社員間のつながりも保持されるからだ。番組では、影の部分として、メタバースでのセクハラの問題を取り上げていたが、それくらい、仮想空間なのに極めてリアルな人間世界に近い。

ところで、メタバースがAIと組み合さるとどうなるのだろうか。本人の意思と離れたところで、アバターは存在するようになるのだろうか。番組の中でも落合陽一氏が、自分のアバターと会話するシーンがあった。まるで、コピーロボットを使うパーマンのようだ。自分以外に複数のアバターが複数の仮想空間で「生きる」。技術的には何ら問題ないのではなかろうか。本人が死んでもアバターは存在し続ける? 年齢も取らず、永遠に?

科学技術があるレベルを超えると法律はもちろんだが、倫理・道徳の問題が絡んでくる。しかし、そういう問題解決は現実の後追いになる可能性がある。さて、どうする!?

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