値上げラッシュ

サラリーマンが物価の上昇を感じる瞬間は、ランチ代が1,000円を超えた時だろうか。かくいう私も、3か月ほど前のある日、お気に入りのラーメンの値段が1,000円になっているのを見た時は「え!?」と声が出た。その上、トッピング無料券も廃止され、20個貯めれば1杯無料になるスタンプカードもなくなってしまった。

そうかと思えば、一旦値上げしたものの、ゴールデンウィーク限定で「油そば1杯500円」などと無茶なキャンペーンを始める店も出てきた。以前は大盛、特盛ともに追加料金なしで提供していたから若い学生に人気だったが、値上げした途端に客足が落ちたのかもしれない。その後も「本日500円」という看板を何回か見たが、こういう売り方をすると500円の日しか客が入らなくなるに違いない。

一方、私が時々行く古いラーメン屋さん、いわば町中華の店は、値段を全く変えていない。ラーメンは500円、半チャンラーメンは850円のままである。もう30年以上通っているが、父親と息子は板前風に襟なしの厨房服に和帽子をかぶり、母親は同じ厨房服に三角巾。色は全て白。何もかも変わらない。

物事の急激な変化への対応がそれぞれ違うのは当然だが、何がこの違いを生じさせているのかとじっと考えてしまう。

収入が増えない限り、物価の上昇は生活に即響いてくる。2023春闘は、大手は満額回答で近年にない大幅アップだという。しかし、中小は現時点では追随できない。まして弊社のようにコロナ禍でいまだに苦しんでいる会社は、給料をコロナ以前に戻すこともできていない。

日銀は、総裁が代わっても量的緩和を続けインフレ政策を継続しているが、多くの国民の困窮をよそに、物価高騰を歓迎している様子には唯々呆れるばかりだ。

海外旅行も航空券の値上げが大ブレーキになっている。需要が戻ってきた今も人手不足で増便ができず、供給は追い付かない。完全に売り手市場になったため航空券料金は大幅に上げられた。ウクライナの影響で燃油サーチャージも高い。さぞかし、航空会社も困っているだろうと思いきや、航空会社はあっという間に黒字に転換。おそらく2023年は空前の利益が出るだろう。

旅行会社はどうだろうか。旅行代金が上がり、そう簡単には買っていただけなくなった。弊社には関係ないが、グアムなどは航空券代金だけで10万もしたらもう誰も行かない。ハワイもダメ。弊社も比較的料金が収まっているモンゴルは戻ってきたが、他のデスティネーションは、まだまだである。

今、新しいパンフレットに掲載するツアーを企画中だが、みな頭を抱えて苦労している。何とか、皆さんに海外へ行っていただきたい。特に秋以降はネパールのシーズンになる。ネパールのスタッフたちも今年こそはと待っている。

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