IT化と人の介在

どうしてこんなに複雑で解り難いのか。自分が居住する市のHPを見ていつもそう思う。結局は、相談窓口に電話することになる。自分の無関心さを棚に上げ、たまにHPを見て解り難いと文句をいうのはお門違だとは思う。もちろん、市も解り易くしようとHPを工夫しているに違いない。しかし、制度そのものが複雑すぎてHPなどで解るように伝えるのは難しいというのが現状だろう。

先週の11日、ある事情で、公的介助サービスについて至急調べる必要に迫られた。休日だったので電話の問い合わせができず市のHPを見てみた。案の定、よく解らない。理解はできるのだが、最後に「これで大丈夫です」と太鼓判を押してくれないから「ほかの方法もあるかもしれない」。と思ってしまう。結局、14日の月曜日に電話で確かめたところ、60歳未満では、公的介助サービスは受けられないことが判り、有料のサービスを探すことになった。ところが、お盆でなかなか人が見つからない。先ほど(8/16昼)、今夜から8/21までのヘルパーが見つかったと連絡が入った。やれやれ、一安心である。

しかし、今回、調べてみて、怪我をしたり病気で体が動かなくなったりしても、60歳未満では、病院に入院する以外は、家族や知人に頼らないかぎり、有料の家事支援・ホームヘルパーサービスを受けるしかないということが判った。有料サービスは、1時間3,000円~3,600円程度、1回2時間が最低単位などという条件が付き、1日に朝、昼、晩の6時間派遣を頼むと、1日20,000円程度は掛かる。10日間で20万円である。海外旅行保険では、医師が、治療上ホームヘルパーが必要だという趣旨の所見を診断書に書いてくれれば、治療救援費用で補償が受けられる。やはり、保険は必須だ。

ご本人が来週入院することになったので、市役所に医療費の限度額認定書を、私が取りに行ったら、1階の玄関口のフロアーで「簡単にマイナカードと健康保険証との紐づけができます」という看板を見つけた。以前からやろうとは思っていたが、webでやるのが面倒で、今までほったらかしにしていた。半信半疑ではあったが、限度額認定書ができるまでの時間を利用してお願いしてみた。なんと、ものの5分でできてしまった。担当の方がPCを私の横で操作してくれ、その操作結果が自分の前のPCに映し出される。自分は、指示に従い暗証番号を入力するだけ。あっという間に、2万円のマイナポイントをもらうことができた。きっと「解り難い」、「webじゃあできない」という苦情が続出したに違いない。

よく「日本人はITへの理解が不足しているからIT化が進まない」などというが、実は、制度が複雑、且つ、縦割り行政のためにデータ形式も保持内容もバラバラでIT化の前提を欠いていることに原因があるといわれている。前出のマイナンバーカードの紐づけように、結局、人の介在がこの矛盾を解決している。今回も、問い合わせに応えてくださった市役所の方々やホームヘルパー派遣業者の担当者は、実に親切で有難く、そのことを証明してくれた。近い将来、これがAIにとってかわられるのかもしれないが、人の介在の価値は変わらないように思う。

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